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杯ノ百七十四

 歳若い肉体から漏れ出た張りのある吐息でありながら、長年を掛けて折り重ねた感慨を噛み締めた様な…そんな、上品なミルフィーユを思わせる童女の溜息。

 その甘やかさと、裏腹な厚みを聞き分けて、青年は何かを喉に詰まらせたかの様に押し黙った。

 童女は急に静かに成った青年を見つめ、見つめて…しかし、いやにじっくりと見るものだな…目を細め覗き込むように凝視してから、遂に第一声を発する。

 「これで、何度目になるかしら…。まったく、何度教えても()りないのだから、困りものだわ。」

と、童女は言った。…ちなみに、彼女が何の事を言っているのか解からないのは…それどころか、誰に対して話掛けているのかすら解からないのは…青年も、読者諸賢も、そして著者も同じだ…。

 童女の言う事がさっぱり飲み込めない。それどころか、自分が応えるべきなのかも計りかねている。そんな青年の態度に、童女は馬鹿に艶めかし笑気を吐き出して、 

 「あらっ、拗ねたの。そんな可愛らしいところ、あったのだったかしら…まぁ、でも…私の身体がここまで貧相に成っているのを見れば…。」

と、童女は首を左右に動かしながら、自分の背格好や、手足の長さ、それに胸部をまじまじと見下ろして、

「私はまた随分と貴方を待たせたのでしょうね。…それも貴方が、待ち切れずに拗ねてしまう位に…。だけど、寂みしくなる度に私を殺すのは、趣味の良いモーニングコールではないわよ。何度も言うけれど、私を殺しても私は貴方だけのものには成らないし…それに私を起こすのなら、枕をそっと指でノックしてくれるだけで良いと…ちょっと、貴方、聞いているの。」

 童女が不満げに声を荒げた。…にしても、よく喋る娘だな…。

 杯ノ百七十四を読んでやって下さり、ありがとうございました(^v^)

 本編では童女のお喋りタイムに突入しました。

 うーむ、ようやく話が進んだ様な、こう成るまであっと言う間だった様な…何故だか、ちょっとした達成感がありますなぁ。まっ、『即興小説』とは言え周り道が過ぎた事も、自覚はしているのですけどもね。

 とにかく、この機に少しでも多くの『設定』が定まってくれて、物語の下地だけでも整ってくれると有り難いのですが…色々とね(^v^)

 それでは、また、次回の梟小路の綴る文章でお会いいたしましょう。

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