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杯ノ百五十七

 白木の杭に喉笛を貫かれていた童女の有り様を思い起こせば…(むご)いの一言に尽きる…まっ、そんな具合の状態であった。

 裏を返せば…いや、童女の首の後ろまで杭が貫通しているかを確認するまでも無く…血溜まりに小さな波紋を起こす程度の小揺るぎが有った位では、とてもじゃないが杭が抜け落ちるとは考え難い。…青年の右手に残る、肉を裂き、骨を砕く感触も…『そんな柔なものでは無かった』と、追い打ちを掛ける…。

 だから、これはもう…血溜まりの底に沈む童女の首根っこが、水底(みなそこ)よりも更に深いどこかへ…『どこか』としか表現も、想像も出来ない場所へと…消えてしまったとしか…。

 そんな童女の首がどこへ行ったのかを探る、あるいは、(まさぐ)る…それこそ『手っ取り早い』方法があるにはある。あるにはあるのだが…読者諸兄姉には先刻ご承知のその『手段』を…血溜まりの中へと腕を突っ込んで、その手触りで喉首を探り出すという方法を…青年が躊躇(ためら)のも無理からぬ事ではあろう。

 想像して頂きたい…。

 読者の皆さんは今、未開の密林の奥深くを彷徨い歩いている。喉はカラカラに渇いて、一掬(ひとすく)いの泥水にすら口を付ける事も(いと)わない様な心境…。

 月明かりだけを頼りに、視界を遮る蔦や、苔むした枝を掻き分け、くたくたに成りながらも歩を進めていると、突然…そんな皆さんの目の前に、満々と水を湛えた湖が広がる。

 湖面には陽炎(かげろう)の様な月光が揺れ動き、水面の先にある何ものも見通す事は出来ない。

 この様な状況であれば誰しもが、喉の渇きに耐えかねて、いずれは湖面の内へと手を差し入れるに違いない。…無論、不安を胸に抱きながら…。

 杯ノ百五十七を読んでやって下さり、ありがとうございました(^v^)

 正月三が日は内輪の集まりで忙しく成るかと思いきや、順調に書きたい事を書き散らかし、年始から執筆活動には余念の無い梟小路です。

 後は、残る酒の席からどの様にして中座するかが、思案のしどころですねぇ。…そんな応用のまったく利かないやり口に思いを馳せるのも…酔い覚ましには悪くない過ごし方でしょうが…。

 あっ、皆様には、『貴女を啜る日々』や、他の梟小路の小説という『暇潰し』も御座います事をお忘れなく(^v^)

 それでは、また、次回の梟小路の綴る文章でお会いいたしましょう。

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