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杯ノ十五

 …っと、回想が良い所に差し掛かって、足元がよじれる様な軋みを上げた。闇の中、いつの間にか青年は通路の入口付近まで戻っていたらしい。

 青年は(きびす)を返すとまた、通路の奥へと歩み出した。

 (あの女は吸血鬼…日の光をその身に受ければ、身体は焼けただれ、灰に帰ることになる。だが、この陰気な館の限られた場所でなら、あの女は日光を恐れず好きな時に食事を楽しむことが出来る。一切の採光が叶わない、こんな不自然な場所がこの館の中に存在するのはその為だ。そして…。)

と、暗がりの最中で、ガツンッと、俯き気味だった青年の額が壁にぶつかった。特徴的なシンナーの臭いは…青年は再び通路の突き当たりまで戻って来た。

 すっかりと失念していた壁の存在。ズキズキッと痛む額に懐中電灯の頭を押し当てる。さっきまで光を放っていたそれは、まだ、ほんのりと温かい。

 そんな閉まらない状況ながら青年は、一度は見逃したものの存在を、今度は聞き逃さなかった。

 青年は、否応なく目蓋が重くなる真っ黒な世界で、回れ右。そして正面へと向けて、懐中電灯を再点灯する。

 眩しい。思った以上の明るさに、青年は頬の筋肉が強張る程に固く瞳を閉じた。

 それから、ゆっくりとまつ毛の鉄格子を上へと持ち上げ、一先ずは開いた右目だけで丸い光の中を見る。…そこにはノブはなかった…そこだけは洋館には不似合いな…引き戸だった…。

 青年は暗闇の中で鋭敏に研ぎ澄まされた聴覚によって、自分の額と、壁がかち合った際の僅かな音の違いを…蝶番で固定された他のドアとは違い、戸板全体がガタピシッと音を立てて動いた…その衝撃の伝わり方の違いを聞き分けていたのだ。

 ようやく、左目も開ける事が出来た。

 皆さま、杯ノ十五も読んでやて下さって、ありがとうございました。(^v^)

 開始当初、『今作の執筆を習慣化する為に、21日間は連続投稿。』っと、自分に発破を掛けた甲斐もあってか、何とか目標の三分の二を越えることが叶いました。

 これからも、後一瞬間などとみみっちいことは言わず、一か月、一年と続けていければと思います。…一日も休まずというのは、不可能でしょうけど…。

 まっ、兎にも角にも、出来うる限り頑張って執筆を続けていきますので、今後ともよろしくお願いします。…早く、吸血鬼でないかなぁ

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