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杯ノ百四十七

 白木の杭が根元近くまで貫いた為に、今や、童女の首は千切れる一歩手前。その危うい均衡が、文字通り『首の皮一枚』で保たれているのだ。

 青年に充分な余力があるのならば、ありとあらゆる『手』を講じて童女の首を落としに掛るであろう。しかしながら…目下の青年に残されているのは、満足に動かない右手の握力と、腕力が少々。使い方を誤れば…もしも、形の良い童女の頭をもぎ取る事に夢中に成るあまり、自分の心臓に負担を掛けてしまえば…下手をすると、その場で絶命という事もありうるだろう。

 この際は、何をどうやって彼女の小作りな頭を落とすのか、慎重に吟味しなれければ成るまい…。

 ポタポタッと、指から垂れ落ちる血が石畳を叩いた。

 その単調な音に耳を傾けながら、青年は思案する。

 (杭を上下左右に動かして、こいつの頭の重み込みで首を捩じ切る。…その時には、頭の下から枕はどかすべきだろうな。それとも、こいつの頭を掴んで、力任せにもぎ取るという方法にするか…。両手が使える状態なら、二つの作業を同時に行うところだけど…野垂れ死にするにしても、せめて、この洞窟の中からは抜け出したいからな…水堀さえ越えてしまえば後は()って進めば良いとして、その余力の事を思えば贅沢も言えないか。)

と、右手の人差し指の傷口を親指の腹で揉み、微かな鈍痛を楽しみながら思案に(ふけ)っていた、青年。朱肉を塗りたくった様に真っ赤に成った親指を見つめて…やっとこさ自分が、当面の『大仕事』から目を反らしている事に気付いた様だ。

 青年は、ニヤリッと、魚の鱗の如く乾き始めた童女の瞳へ白い歯を見せる。

 「自分が下衆野郎なのは自覚しているんだ。…けど、キツイよなぁ。」

 杯ノ百四十七を読んでやって下さり、ありがとうございました(^v^)

 北陸は豪雪地帯と言う程では無いのですが…それでも、ここいらでの雪とは、降ればどっさりと積り、どさりっと屋根から落ちて来るもの。今の時節は、日に何度かの雪掻きが欠かせません。

 そして、雪掻き以上に欠かせないもの…世間体と言うやつです…。

 自分の家の前だけ、雪掻きしていないという状態で放置できない。あと、隣家の住人が朝っぱらから雪掻きを始める音が聞こえたなら、自分も雪掻きを始めざるを得ない。…暗黙のルールという奴です…。

 それでも12月中はまだ良いのですよ。雪に雨も混じるので、さほど積らないし…ですけど、これが1月、2月となれば…『貴女を…』の更新に、影響がないわけがないだろうなぁ(^v^)…時間を取られる上に、腕やら、腰やらの筋肉痛も含めて…。

 それではまた、雪掻きで更新が滞る前にせめて、洞窟からは脱出している事を祈る、次回の梟小路の綴る『貴女を啜る日々』でお会いいたしましょう。

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