第13話:脱出の方法はただ1つ
俺は目を恐る恐る開けると……そこには鉄パイプでヤツを殴り倒していた立花がいた。
何で生きてるんだ?
立花はヤツに切り裂かれて死んだはずじゃあ…。
「お前…何で生きてるんだよ!?」
「その事は後で説明するから…取りあえず逃げるぜ?」
立花はそう言うと村の外れの方向に走り出した。
「お、おい!!何してんだよ!?何でそっちに行くんだよ?」
俺がそう言っても虚しく立花は走ることを辞めずにどんどん進んでいった。
「ちっ…仕方ない。立花に続こう。」
俺はそう言って、恵理菜の手を引いて走り始めた。
「ふふっ…竜也はホントっ立花君が生きてて嬉しそうだねぇー。」
「嬉しいけど…何か複雑な気分だな。」
「何それ。変なの…あはは。」
何で笑っているんだ?
俺は本当の事を言っただけだ。
「あっ!それからもう1つだけ言わせて。あたしが竜也を守ってあ・げ・る。」
ったく…何を言ってるんだコイツは?
「それはこっちのセリフだろ?」
「確かにそうかもしれないけど、竜也にばっかり守ってもらってたら…いざという時はあたしが守らないと…竜也の立派なお嫁さんになれないもんねぇ。」
俺はそんな恵理菜の冗談かも知らない言葉だが…俺はとても恵理菜が愛しく思えた。
立花が立ち止まったので…俺達も立ち止まる事にした。
「ふぅーここまで来れば大丈夫だろうよ。」
立花はその場に座りながらそう言った。
「それより…立花。何で生きてるんだよ?」
俺が一番知りたかった事を聞いた。
「確かに俺は身体を切り裂かれた……。」
そう言って立花はカッターシャツのボタンを開けて、俺達にキズを見せた。
白いカッターシャツがところどころ血で赤く染まっている。
「俺は切り裂かれ…川に投げ捨てられて、しばらく気を失っていた。気がつくと水深が浅いところに俺は倒れていた。そして俺は色々探索している内に銃声が聞こえてきたから、こうしてここにいる訳よ。」
何て強運の強いやつなんだ。
普通は暫くは歩くことが出来ないだろう?
「……で、何でお前は加織じゃあなくてこのおてんば娘と一緒にいるんだ?」
「だ、誰がおてんば娘よぉ!!」
恵理菜は頬を膨らませながら言った。
「実は…………」
俺は立花に成り行きと今まで起こった事を話した。
「そうか、そう言う事があったのか…俺がいない間に。」
立花がそう言った瞬間
ブゥーブゥー
と携帯が振動している、どうやら俺の携帯なので受けてみると。
「もしもし、今どこにいるんだよ?」
「今は村の外れの方にいる。立花も一緒にだ。」
「何で立花が生きてんだよ?死んだはずだろ?」
十弥には衝撃が強かったか…。
「まぁ、生きてるもんは生きてるって事だ。」
「何だよそれ。それよりも大変なんだよ!村の入口に行ったら、車が無くなってんだよ!」
おいおい、それはヤバいな…脱出の手段が無くなったな。
これじゃあ、脱出するのは不可能に近いか…。
「車が無くなっただと?それじゃあどうすんだよ?」
「と、とりあえず合流しよう。幸い俺達が今居る場所から村の外れに近いからな。」
「あぁ、わかった。じゃあ切るぞ。」
「それで、十弥君何て言ってたの?」
こう言う事はあんまり言いたくないが…黙っていても仕方がない。
「実は…車が無くなってたらしいんだ。」
「えーー!それじゃあ、脱出する難しくなるじゃん!!」
恵理菜の言う通り、本当にヤバい状況だ。
どうすりゃいいんだよ?
「その車の場所…もしかしたらわかるかも知れねぇ。」
立花が爆弾発言を言った。
「本当か?」
俺は期待しながらそう言った。
「あぁ、俺が一人で探索している時に確か……ここから東の方向に大きな小屋があったんだ。そこに多分俺達の車が置いてあったぜ。」
「何で…そんな所にあるんだよ?」
「それは、俺にもわからねぇけどよ…脱出のポイントはそこしかないと思うぜ。」
確かに立花の言う通り、もうそうするしかない。
少し危険かも知れないけど…そこに脱出の鍵があるはずだ。
「おぉ!?本当に立花が生きてやがった。いやー本当にびびったぜ。」
十弥がそうはしゃぎながら言った。
「ふん。いちいちうるさいやつだな。」
「おい!二人共くだらん言い合いをするな。今から作戦を言うんだからよ。」
俺はそう言って皆に作戦の内容を話した。
「その作戦しか方法はないんだよな?だったらそこに行くしかないだろが。」
俺達は武器を確認した。
俺は弾丸が一発入ったリボルバーとナイフにグレネード一つ。
十弥はマシンガンとナイフにグレネード一つ。
立花はライターとサバイバルナイフ。
加織はハンドガンにナイフ。
恵理菜はいつの間にかハンドガンだけになっていた。
「よし!じゃあ、皆にその小屋に向かうぞ。」
俺達は東へと進んだ。
そこに悲劇が起こることを知らなかった。




