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egotism  作者: 親不知
6/6

4.5話

ーー北尾 真也ーーーーーーー


 今日は龍が休みだったので、西山さんと2人で昼食を取ることになった。


 「西山さんて、友達とかいんの?」


 「え?うんいるよ。テニス部の子達が多いけど、クラスの子とかも仲いいよ。」


 「北尾くんは?吉村君だけ?」


 「まあ、基本はそうだな。他の人もまあ、たまに話しかけてくる事とかはあるけど、用が無ければ基本は話さねえな。」


 「北尾くんて、一人平気なの?」


 「あー、まあ、そうだな。あんまり何とも思ってないかも。」


 「何か、強いよね北尾くんて、私なんかいつも孤立するの怖いよ。」


 「んー、案外人と仲良くできる方が強い気するけどな。人といれば、そりゃ、問題も生まれるし、結局一人でいれば、何事も起こらないしな。」


 「何か、北尾君の会話って、高尚な事多いよね。普段から何か考えて、生きてるって感じ。そういうのって疲れないの?」


 「あー、まあ、勝手に考えてるって感じだな。別に、意識してやってるわけじゃないしな。」


 「へー。凄いね。私考えるの苦手だから。」


 「その割にはずっと、俺にしたこと、気にかかってたらしいな。」


 「吉村君に聞いたの?」


 「ああ、まあ、あんまり詳しくは教えてくれなかったけど、軽くは。どう言う話をしたのかはあんまり知らないけど、何か、泣いて、謝りたがってたとか言ってたっけな。」


 「泣いてはない!ちょっと熱くなっちゃっただけ。。。でも、吉村君に何かハメられた気がする。」


 「ハメられた?」


 「うん。何か、感情的になっちゃってたから気づかなかったけど、凄く、吉村君の思っていた通りに会話を誘導された様な。始めから、私が何を考えてて、その答えに導く様な。」


 「あー、まあ、あいつあんな感じで、結構観察力あるからな。」


 「うん。何か人の心読めるみたい。一つ一つのしぐさから、予測してこっちの心を覗いてくるみたいな感じがして、たまに少し怖いよ。」


 「あいつって意外と自分のことになると本当かどうか分からない誤魔化し方とかするからな。本当のとこ、どういう奴なのかいまいち俺もわかんないんだよな。」


 「うん。掴みどころあんまりないよね。」


 「北尾くんて、なんで吉村くんと仲良くなったの?」


 「あいつ、俺とあった時の最初の言葉なんて言ったと思う?」


 「もしかして、見た目の事とか言ったの?」


 「凄い顔だな。事故?病気?って。」


 「え?本当に?なんでそれで仲良くなれたの?」


 「あいつ、最初から、同情とか、特別視とか、一切してないんだよ。別にそんな顔だからってなんで俺が、気を使わなきゃいけないんだって。そんな態度だったんだよ。」


 「それって嫌じゃないの?」


 「だって、結局さ、可哀想って思ってる相手と、友達になれると思うか?何処かで、自分とこいつは対等じゃないって思ってるんだよそれって。だから俺は、もしかしたら、こいつとは、ちゃんと友達になれるのかもって思ったんだよ。」


 「それ、多分吉村くん分かってて、やったんだと思う。」


 「え?いや、そこまで買い被りすぎじゃないか。あの一瞬でそこまで、考えてたってこと?」


 「ううん。多分ずっと考えてるんだと思う。それで、たまたまその機会に出くわしたから、咄嗟でもそういう事が出来たんじゃないかな。」


 「なんでそう思うの?」


 「本人に、おんなじ様なこと言われたもの。」

 

 「あいつが?なんて?」


 「私が北尾くんに謝りたいって話したら、覚悟が無いなら辞めろって。私のやっていることは他人に勝手に同情して、それは北尾くんの人生を下に見てるって。」


 「え?そんな事言われたの?言い過ぎだろ。」


 「でも、その後に、だから、自分の為にあいつと関われって。北尾くんの為だとか、そんな偉そうに思わず、自分の自己満足で謝れって。」


 「あいつらしくないな。」


 「うん。別人みたいな話し方だった。でも、私、それを言われなかったら、多分北尾くんが、気を遣わなくて良いから、迷惑だからって言われた時に、多分帰ってしまって、また、話さなくなってたんじゃないかって思うの。」


 「そこまで、計算に入れてたってこと?」


 「分からないよ。でも、時々ちょっと怖い。あんなふうに考えられるってことは、何か、あるんじゃないかって。普通、あんな風に立ち回れない気がするもの。」


 「確かに、俺と出会った時にそこまで、考えていたとしたら、あいつちょっと普通の中学生ではないよな。」


 「まあ、北尾くんも似たような所あるけどね。」


 「まあ、俺も普通寄りではないけどなあ。普通とか言うと、獰さんに怒られるんだよな。」


 「獰さん?」


 「俺、養護施設で育ってるんだけど、そこの職員さんが、結構特殊な人でな。普通とか、常識とか大っきらいなんだよ。世の中、全員異常で、即ち全員正常だ。とか、よく言う様な人。」


 「何か、凄い人だね。」


 「ああ、あの人のお陰で、卑屈にならずに生きてこれた気がするんだよな。」


 「憧れてるの?」


 「いや、あの人、短気ですぐ人と喧嘩するし、子供の前でタバコとか吸うし。結構なっちゃいけない大人だと思うぜ。まあ、でも、養護施設の子供にはああいう大人が大事な気がするけど。」


 「うん。何か、北尾くんがそんな感じになるの分かる気がする。」


 「西山さんは?どんな育ち方してるの?」


 「え?私はお父さんが、教師で。お母さんは専業主婦。それと、3つ上のお兄ちゃんがいる。」


 「父親教師かー。何か大変そうだなあ。」


 「うーん。まあちょっと厳し目かも。門限とか、生活態度とか。」


 俺達はそんな雑談をして、昼休みを過ごした。西山さんも大分俺に慣れたみたいで、普通にや仲良くなっていた。

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