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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

乙女にとっての最上を

作者: 山内 琴華
掲載日:2026/02/19

ある洞窟の地下深く。日の光は決して届かぬ場所。日も届かぬ場所だが、何故か洞窟の中には漆黒の薔薇が咲き誇っている。


そんなところに、ある少女がいた。

否、少女と言っていいのかは分からない。

ソレは一国の王女であり、魔族と人間のハーフだった。


王女の母--王妃と魔族との間に出来た娘。当然、浮気をした王妃は処刑されたが、娘は見逃された。


魔族から生まれた王女はあるときから角が生え始めた。魔族である証を、人々は忌み嫌う。そして、魔力の多い王女を人々は封印しようとしたのだ。そのとき、すでに王は死去している。なんと言っても、王女は魔族のハーフなのだから、かなりの長生きをすることだろう。

そうして、王女は洞窟に封印され、囚われた。


ただただボーッとするだけの日々。

毒を煽っても、王女は死ねなかった。

自分で自分を斬るのは怖くてできなかった。


そうなれば、寿命が尽きるのを待つしか、王女に手立てはない。


洞窟に封印されてから、百年か、二百年か。あるいは千年経った頃。


「おい。こっちに人がいるぞ!」


久しぶり声を聞いた。男の声だ。だが、長い間声を出していなかった王女の声は掠れて出なかった。


男がランプで王女を照らす。


「ヒッ……」


そういう反応をするのも当然。王女の胸には、矢が刺さっている。封印の要らしく、抜けない。


男が恐る恐る王女に近づいた。王女はぼんやりと男を見つめる。そして、矢を触ろうとしたとき。


シュルシュルと音を立てて、王女を守るようにリボンが出てきた。


しかし、それは王女を守るためでも、男を守るためでもない。


王女の封印が解けないようにするため。そして



封印を解こうとする人間を殺すため。


そのリボンは凶器だ。リボンは男を殺すだろう。以前にも、同じようなことをして、死んだ人間がいた。もう、白骨化しているだろうか。いやでも、もうすでにないかもしれない。

ぼんやりしながらも、王女は思った。


「し、なない……で」


(逃げて、逃げて……)


もう、この封印の力で死ぬのを見たくなかった。王女の最後の望みであり、最後で二番目の感情。


それでも、リボンは無慈悲に男を殺してしまった。




あぁ、どうしたら死ねるだろうか。


王女はすぐに男のことを忘れてしまった。何も覚えていない。ただ、何か少しだけ違ったことが起こったような気もする。

でも、もうどうでもいい。思い出したところで何もない。

そよ風が吹いて、揺れる。掌の先で、薔薇が揺れた気がした。


早く死にたい。別に行くのは地獄でもいいから。

できれば、苦しまない方法で。


それだけが、王女の最後の感情だった。

なんかよく分からないものを書いてしまった

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