78.青い珠
疾風の体はみるみるうちに変化していく。
どこから見ても獅子の姿に変わりつつある。
早くしなければ、クラリサからできる武器でしか
倒せなくなる。
優輝、大地、駿、晃、そして
俺を含む全ての連合軍が、
結束し、疾風へと攻撃をかける。
優輝とスコルプは炎を放つ。
大地はリュープスに乗り、地面を駆ける。
駿はハイドルと共に、疾風の隙を狙い、
四方八方から攻撃をかけ、
晃とリンクは次々と武器を作り出し、
間合いを詰める。
だが、これがヴェルグラスの力なのか。
全て交わされ、いや、交わされるだけでなく、
逆に痛手を負い、倒される。
だが、諦めず立ち上がる。
いつまで続けば倒せるのか。
葵も自ら短刀で斬り込み、何度も倒れ立ち上がる。
「……どうしたら……。そうだ!大地、
天澄界のクラリサを持っているか?」
俺は大地に問いかけた。
「ああ。だが青の珠がない以上、
もう一つのクラリサを呼び合うことは出来ない」
「青い珠ならここにあるさ」
俺は自分の左目を指差した。
「どうする気だ?目玉くり抜くのか?」
「王はなぜ俺をこの軍に入れたと思う?
それはきっと青い珠の力を使えると思ったからだ。
まさか目の玉くり抜けとは言わないさ。
おそらく、俺なら青い珠を作り出せるってことだ。
晃! 悪いがリンクに珠を作ってもらえないか?」
晃が頷く。
「リンク!珠を頼む」
リンクが光線を出し、丸い珠を描く。
晃が握ると本物の珠になった。
晃は俺に珠を差し出した。
「頼むぜ、青の戦士なんだろ?」
「まかせとけって!」
俺は不安な心と裏腹な態度をとってみせた。
クラリサからなる武器を作る以外に
勝ち筋はない。
だから俺は 俺に賭ける。
俺は珠をギュッと握った。
目を閉じ、俺の想い、力、全てを珠へと込める。
その間にも仲間たちは傷つき、立ち上がり、
明日のために戦っている。
王よ、俺に力を与えてくれ。
そして親父、俺をここまで連れてきたのは
親父だろ?
頼むよ。俺に力を貸してくれ。
エイクも俺の肩に乗り、力を貸してくれているようだ。
俺の手の中から青い光がうっすらと見えた。
そして瞬く間にまばゆいくらいの
青い光を放ち始めた。
親父、ありがとよ!
「大地、クラリサを!」
大地がクラリサを投げる。
俺はしっかりと受け取り、そして
スクエアピラミッドの頂点に
青い珠を近づけた。
珠は引っ張られるようにクラリサに
収まった。
そして赤、青、黄、緑、紫
5つの光が暗闇の中に放たれた。
「やめろーーーーーー」
ヴェルグラスの低い声が大きく響く。
俺はクラリサを泉へと向けた。
すると漆黒の泉から5つの光が浮かび上がった。




