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54.ボディーガード

泉はどこにあるのだろう……。


早く黎子様の願いを叶えねば。

長い間、影となり彷徨った意味を。

必ずこのクラリサでヴェルグラスを復活させる……。




********************



連合軍は広い道へと出た。

草1本も生えてない。砂漠のような平原。

前方には高い崖があり、高台から見下ろすことが出来る。


上から奇襲をかける気だろうか。

だが、予測できる攻撃は奇襲とは言えない。

迎え撃てばいいのだ。

疾風隊長を信じよう。


進む速度が上がった。

崖の下に差し掛かった時だった。


「上方から敵多数!攻撃に備えよ!」


疾風隊長の声が飛ぶ。


優輝、大地、晃の鎧が光る。

葵を中心に連合軍は崖下を猛スピードで

駆け抜ける。

優輝が火の壁を作り葵を敵から守っていく。



********************



「なるほど……」


「駿、見つかったか?」


「あの青色の着物を着て笠をかぶっている女性。

おそらく彼女です」


顔に傷のある前隊長が上から連合軍を見下ろす。


「なぜわかる?」


「上から見れば丸わかりですよ。

彼女の周りだけ異常に警備が堅い。


どうやら隠す気もないようですね。

それでも勝てる、といった感じでしょうか。


全軍を彼女に集中させましょう」


さて、大事な事は隙を作ること。

一瞬、それが勝敗をわける。


「今から大きな岩を落とします。

とてつもなく大きい岩です。

音と地響きに、全員が岩を見る瞬間があります。


その一瞬、必ず敵の動きが止まります。

どんな能力を持っていても。


その瞬間にあの女性を狙ってください。

そうですね〜弓にしましょうか。


遠方から狙うのです。弓の名手をお願いできますか?」



前隊長は頷き、一人の男を呼びつけた。



「確かにそれぞれの能力は優れていても、

分断すれば勝機はある」




*******************


「リュープス!周りを固めろ!」


リュープスが分身を作り、敵の足元を狙う、


しかしどう考えても葵を狙いに来ている。

今までの敵より強く、そして迷わずにこちらへ向かってくる。




葵を守りたいが、目の前の敵を相手にするだけで

余裕がない。

どんだけ昏哭界にいるんだよ!

斬っても斬ってもゾンビみたいに湧いて来やがる。


そりゃ世界が始まって何千年?

増える一方だろうよ。

生まれ変われないんだからな。



何の音だ?

地面が揺れている気がする。



ふと見上げると崖の上から

とてつもない岩が転がり落ちてくる。


一瞬、全員の視線が岩に注がれた。


いや、全員ではなかった。

たった一名、どんな時も主人を守るために

訓練されていた者……。


「葵様!危ない!」



直が葵の前に飛び出した。



一瞬、ほんの一瞬。

誰もが葵から目を逸らした一瞬。


遠くから弓矢が葵にむけ放たれた。

正確に。



「直ーーーー!」


弓矢は直の背中に命中していた。

それでも直は盾のように葵を守り、動かない。


「葵様、ご無事……でしょうか……」



俺は直に走り寄った。

「嘘だろ?」



疾風隊長が声を上げる。

「全軍、集中しろ!」


直は葵の前に倒れ込んだ。



「拓海……」


苦しそうに俺を呼ぶ。

葵は状況を飲み込めず、放心状態だ。


「葵を守るって言っただろ?死ぬな!直!」



「約束……してください……。葵様を守って……


直の言葉が切れた。

嘘だ。そんな、あいつが死ぬなんて。


「直……いつも私の後にいなさいって……、

言ってたのに」



葵の言葉は鳴き声と変わった。


連合軍は葵の命は守った。

だが、代わりに失ったものは葵にとっても

とてつもない大きなものだった。



約束。

直、俺にお前との約束を守る力を与えてくれ……。

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