5•友の死
やっと見つけた親友は
もう息をしていなかった。
砂利道が続く河辺に、青月は眠るように
横たわっていた。
周りを染める赤い血がなければ
本当に眠っているように見える。
まさかこんな日が来るなど
誰が想像しただろう。
「青月……」
俺は青月に駆け寄った。
クラリサはどこだ?
俺は鼓動が早まるのを感じだ。
意外にもクラリサはすぐに見つかった。
青月の手にしっかりと握られていたからだ。
青月の指をほどき、俺はクラリサを
取り上げた。
「良かった……これで……」
一瞬の安堵はすぐに消し去られた。
俺の手の中にあるクラリサは
四つの光を放っていた。
美しい…だが、俺が初めて見たそれとは
違う。
「青い珠がない……」
頂点にあったはずの青い珠がなくなっている。
俺は気が狂ったように、周りを、
青月の衣服を探し回った。
「そんな……」
青い珠一つで、何かが大きく変わることはない。
昏哭界では珠一つなど不要だ。
五つのパワーが揃わなければ、
ヴェルグラスは目覚めない。
ではどこへ?
せっかく取り戻したのに、これでは意味が……
俺はもうすぐ消えいく友を見つめた。
死んでもなお、許し難き親友よ。
俺は……どうすればいい?
俺の心の中に一人の女性の顔が浮かんだ。
美しい、俺の愛する人よ。