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48.炎

俺たちが進んだ道は、道というものではなかった。

鬱蒼と茂る木々が光を遮る。

獣の怨霊が襲いかかる。


ただ、体力は奪われるものの、

敵と遭遇しないという安心感は大きかった。

とにかく早くクラリサを持ってくる者を見つけ出す。


先に泉に着くことができれば、ヴェルグラスの

復活を阻止できるはずだ。


俺は写真の女性のことを考えていた。

あの女性と親父の関係は?

そして俺が見た夢は誰の記憶?



ふと前方が止まった。

まさか?そんなはずはない。


大地のそばでリュープスが唸り声をあげた。

大地はリュープスに話しかけた。

「どうやらお前の勘は当たっていたようだな」


大地、優輝、晃の鎧がそれぞに黄、赤、紫に

光を放った。

敵が近い。

疾風の鎧はもともと深い緑色をしており

明らかな変化は見えない。


前方から敵が現れた。

まずい。ここでは明らかに不利だ。


俺は葵の前に出た。剣を構える。


人のものとは思えない声と共に

敵陣が押し寄せた。



疾風と大地は敵に切り込んだ。

リュープスが遠吠えをすると、

数匹の狼が現れた。

狼達が道を拓き、大地と疾風が敵を斬っていく。



晃はすみれの前に出た。

「リンク、武器と盾だ」

リンクはぷいと顔を背け、光で細い剣を作る。

「リンク、ふざけないでくれ」

晃は仕方なく細い剣を手に取り、遅いかかる敵を

かわしていく。

すみれも短刀で晃と背中をあわせ

襲いかかる敵を斬っていく。

リンクのご機嫌は悪いようだ。

自分の目のまえに来た敵だけを

光線で焼いていく。



上から火の矢が降ってきた。

側にいた優輝の動きが止まった。

火を見つめ、立ち止まっている。


「危ない!」


俺は優輝に向かってきた矢を払った。


火の矢は次々と放たれ、

周りでは味方が苦戦している。


優輝は火を見つめ呆然としている。


「優輝! しっかりしろ!どうしたんだよ!」


俺は優輝の肩を揺すり、叫んだ。


優輝はやっと正気を取り戻したようにハッとした。


冷静に周りを見渡すと、周りでは

味方が劣勢を強いられている。


「……私が火の戦士だとは皮肉だな」


優輝が呟いた。

そうだった。炭谷病院の娘、放火犯だったけ?

そういう意味ではうってつけだが、

火はトラウマっていうわけか?


「拓海。ありがとう。感謝する。

私は火に嫌な記憶があってね」


そりゃそうだろうな。

だが今は味方だ。


「何があったか知らないが、過去は関係ない。

頼りにしてるぜ」


俺の言葉に優輝は頷く。


「一つだけ言っておくが、私は放火はしていない。

ま、こんな時にいう話でもないが。

放火犯は別にいてね。

火が……怖いと思っていたが、

今は……私に出来ることをするまで!」



優輝の目の色が変わった。

赤く光を放つ。

スコルプが大きくなった。

優輝が前に手を伸ばした。

手のひらを前方に向け、ゆっくりと右に手を回す。


手が動いた方向に炎の壁ができた。

後方の敵は炎の壁の中に入ることができない。


優輝は次々の炎の壁を作っていく。


前へ進め!

連合軍は炎の壁に守られながら

前へと進んだ。

凄まじい炎。

追ってくる者はいなかった。

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