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24.多聞の死

聞き覚えのある、女性が助けを求める声を聞き

俺はプラネタリウムを飛び出した。


左右、見渡しても誰もいない。

視界の端に何か黒い影が見えたが

ふっと消えた。



「誰かーーーー」



プラネタリウムの裏、

川辺に続く山道のほうから声が聞こえる。


俺は急いだ。



先程プラネタリウムに来ていた女性が

道路で誰かを抱き抱えるようにして

助けを求めている。


俺は彼女の元まで走った。


そこにいたのは、血に染まり

息も絶え絶えの男性だった。


「親父!!」


嫌な予感。

誰か……そう親父なのではないか?と



「ごめんなさい……私のせいで」


女性は涙を流し、親父の傷から噴き出す血を

必死に抑えている。


「拓海…」


親父が苦しそうに俺を見つめ手を伸ばした。

俺は必死で手を握り返す。


嘘だろ、これは夢だろ、

いったい何がどうなっているんだ。


「クラリサが奪われた……。

取り戻して……くれ。

世界を闇にしてはならない……。

お前なら出来る……。

お前の父は……」



「何言ってんだよ!意味分かんねーよ!」


親父は俺を見つめ、いつもの寝てませんでしたが

何か?と言いたげは表情をみせ、

ゆっくりと瞳を閉じだ。



「親父?おい、ちょっと待てよ」


俺は女性を睨みつけた。


「どういうことなんだよ。

何が起こったんだよ。説明してくれよ。

なんで親父が……」



退屈な日々だった。

少しは変化を願ったりもした。

だが、こんなことは望んじゃいない。


女性がゆっくりと親父を道路に寝かせ

静かに立ち上がった。


彼女も怪我をしていた。

彼女は頭をさげ、涙をこらえているかのように

動かない。


「クラリサって何だよ。

もしかして……これと関係があるのか?」


俺は、アルバムから抜き出した一枚の写真を見せた。

「真琴 導きの間」と書かれた巫女の姿をした

美しい女性。

そこに写る赤い鳥居のマーク。



彼女は驚いた顔で写真を見つめた。


「ついてきて欲しいところがあるの」


親父がいなくなるなんて考えたこともなかった。

俺はこれからどうすればいいのだろう。

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