22.鳥居のマーク
「確か、このへんに……」
俺は水澤プラネタリウムの奥に位置する
古びた部屋で探し物をしていた。
円の中に赤い鳥居のマーク。
絶対に見たことがある。
確か、親父が持っていたアルバムにあった
古い写真の中に……。
子供の頃、親父と喧嘩をして
押入れの中に引きこもったことがある。
長い間、引きこもってみたが結局
「拓海〜飯の時間だぞ」
という声に、「今いく〜晩飯なに?」
と反応してしまい、俺の反抗期は
数時間で終了した。
その数時間に見た記憶の欠片。
そのアルバムはまるで俺の目から隠すように
ひっそりと置いてあった。
俺は押入れをあさり、アルバムを見つけた。
取り出し、埃をはらう。
赤い表紙のアルバムを
ペラペラとめくってみた。
俺が全く写っていないということは、
少なくとも28年以上前か。
親父が若い!
髪の毛が多い!
結構イケメンだったんだ、
そんなことより、俺の探し物はどこだ?
あった!
若い女性が巫女のような衣装を着て
微笑んでいる。とても美しい。
親父の字だろう、「真琴 導きの間」
と書かれている。
まこと?
鏡が写る部屋。
着物の胸元にあるマーク。
おそらく、美しいこの女性の写真が
幼心にとても印象的だったんだろう。
円の中に赤い鳥居。
やっぱりこれだ!
しかしこの女性は誰だろう。
親父の恋人か?
いや、こんな美人が恋人なわけがない。
(親父、すまない)
俺の母親は、俺が幼い頃に
親父に愛想を尽かして出ていったと聞いた。
巫女だったとは聞いていない。
この女性とあの美しい光を放つ四角錐を
持った女性と、どんな関係があるのだろうか。
そうなると親父とも何か関係があるのか?
「誰かーーーー!誰か助けてーーーー!!
この人を助けてーーー」
外から聞き覚えのある女性の呼ぶ声が聞こえた。
尋常でないことは、声だけでも感じられた。
俺はかつてないほど、心がざわついた。
この人……
頼む、俺の勘よ、当たらないでくれ。




