表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/86

20.5つの光

1時間は並んだだろうか。

実際、こんなに並んだのであれば、

本当に申し訳ない気持ちだ。


パン de パラダイス。

円の中に赤い食パンのマークのお店。

食パンのマークの上、3分の1あたりに

横一直線、赤文字で「ーparadiseー」

と書かれておりそれが鳥居に見える原因だった。


そんなことは置いておいて…


やっと辿り着いた店員さんが

覚えているとも限らない。

でも手がかりはここしかない。


「すみません。昨日、ここで

あんバタードーナツを買われた若い男性を

覚えていませんか?」



記憶力の良い店員さんに感謝。

制服と名札を覚えてくれていた。


私は今、水澤プラネタリウムにやって来た。

ちょくも来ると言ったが、

母からの急な呼び出しが入り別行動となった。



伯母の手下は直が片付けた。

数はそれほどいない。

伯母に手を貸す者がいなければ

しばらくは1人でいても大丈夫なはず。



プラネタリウムの上映が終わったようで

お客様が出てきた。

それほど数は多くない。


見渡しても、公園にいたであろう男性は見つからない。

はっきりとは覚えていないが、受付にいる、

いや、受付で寝ている?初老の男性ではなかった。


諦めようとした時、プラネタリウムから

若い男性が出て来た。

よく寝たのか、左目をこすりながら。


間違いない。

彼は私が目印のために持ってきた

袋を見つめている。



「あの、申し訳ありませんでした!」


私は彼に近づき、

持って来た袋(あんバタードーナツ入り)

を差し出し深く頭を下げた。


「……よくここがわかったな」


私は顔を上げた。

「水澤拓海」と書かれた名札が見えた。

オーナーはきっとあの受付の方で

息子さんか。



「失礼とは思いましたが、パン屋さんで

聞きました。

あの、同じような袋を落としたのですが

お持ちではないでしょうか」



彼はポケットから袋を取り出した。

探していた、誰もが欲するクラリサが

入っているであろう袋。


「これだろ?」


「あ、ありがとうございました!

本当に本当にありがとうございます。

あの、中身は……」



彼は袋からクラリサを取り出して

私に見せた。


「ちゃんと入っているよ。

ただ、この袋のマークだが……」


クラリサから5つの光が美しく放たれた。


受付のオーナーが、驚いてこちらを見ている。

何か信じられないといった表情だ。


ここでクラリサの目撃者を増やすわけにはいかない。


私はパンが入った袋を押し付け

クラリサの袋をなかば奪い取った。


「ありがとうございました。本当に感謝いたします。

それでは失礼いたします」


私は急いで出口へと向かった。


「おい!待てよ、そのマークどこかで……」



彼の言葉の最後まで聞かずに私は

勢いよく扉を閉めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ