表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/87

15.眠る女

また時は少し遡る。

クラリサが奪われる前……



炭谷病院の一室では、

若い女性がベッドで眠っていた。


母親は、髪を撫で、

父親は足をさすっている。


母親の涙はもう枯れ果てていた。



娘が通り魔にあったと連絡があった時

耳を疑った。


少し前に若い女性を狙う連続通り魔事件が

発生していた。

被害者はみな、同じ手口で、

同じマークが残されていた。


自己顕示欲の強い猟奇的殺人者。

その頃は十分に気をつけなさいと娘に伝えていた。



ただ、犯人は捕まり

いつしかそんな事件もあったな

というくらいの平穏な日々が戻っていた。


なのになぜ?

お願い、もう一度目を覚まして、

お母さんと呼んで。




医師が入ってきた。

初めは、期待していた。

医師が来てくれれば、少しでも

良くなるのではと。


しかし、今は恐怖でしかない。

また、あの一言を聞くだけ。



「申し上げ難いのですが、どうされますか?

決断は難しいとは思いますが、

娘さんの意思も尊重して……」



医師は、臓器提供の意思を示した

娘のカードを見せる。


わかっている。

でも今日も聞いてしまう。



「本当に意識が戻ることはないのでしょうか」


「残念ながら」



娘の魂は、いまどこにあるのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ