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11.公園(改)

28歳、自分へのご褒美ランチは

人気のパン屋「パン de パラダイス」

略して「パンパラ」のパンだ。

高級食パン専門だったが

最近始めた種類が豊富なコッペパンが

話題となり一度行ってみたかった。


街で一番行列ができる店。

1時間ほど並んだせいで、昼休みは残り数分。


どうせ、急いで戻っても俺を待っているのは

親父くらいだ。

もう少し休んでもバチは当たらない。

うちのプラネタリウムも略して「水プラ」にすれば

流行ったりしないかな。


もしくは「パンパラ」のような

マークでも作ってみるか。

円の中に赤い食パンの輪郭を

かたどったマーク。

水プラは円に星でも入れてみようか。




プラネタリウム近くの公園。

太陽がちょうどいい。


俺はベンチに腰をおろし、

パンパラのマークがついた袋から

「あんバターコッペパン」を取り出した。

昨日までの俺とは違う。

やはり大人はあんこだろう。

昨日より、きっとあんこが似合うに違いない。


口に入れようとすると

足元にたくさん鳩がやってきた。


「ダメダメ。1時間も並んだんだぞ。

お前らも1時間並んでこい」



鳩も大人になりたいのか。

恨めしそうにあんバターパン見つめてくる。



「ちょっとだけだぞ」



俺はパンをちぎろうと、

ゆっくりと立ち上がり

鳩たちに近づいた。


俺の視界の端に、猛スピードで近づいてくる

何かが見えた。


昨日の俺なら避けられたのかもしれない。

一つ歳をとってしまったからか、

突進してくる女性と思いっきりぶつかり

俺のあんバターと、何か小さな袋が宙を舞った。



「いってーーー!何すんだよ!」



俺は地面に尻餅をついた。

相手は若い女性だった。ひどく慌てた様子だ。


「ごめんなさい!!」



若いな…俺よりも数倍早くたちあがった。

彼女は落とした袋を慌てて拾い

礼をしてまた猛ダッシュで去っていく。


「なんなんだよ」


俺のあんバターは地面におちてもなお

大人の雰囲気をかもし出している。


「3秒…たったけど…まあ大丈夫だろう」


俺はパンを手に取り、砂を払う。

大丈夫だと言い聞かせ、口をあけた。


気のせいか?複数人の影が

猛スピードで近づいてくる。

まさか、そんなわけはいよな。



「え?」


俺はまた一瞬で蹴散らされ、

再びパンは宙に舞う。


黒いスーツをきた数名の男たちが

若い女性の後を猛スピードで

追いかけていく。



もはや、立ち上がる意欲を失い、

俺は地面に落ちたパンを見つめる。


「だ、大丈夫だ……」



俺はそっとパンに手を伸ばした。


しかし俺の目の前で黒いデカい靴が

俺の1時間を無惨に踏み潰した。


「え、え〜〜〜!!!!」


一瞬で俺の目の前を通り、

後ろ姿しかみえないが

すらっと背の高い男がこれまた黒スーツの後を

追いかけて行った。

こちらもスーツ、ある鬼ごっごゲームに

でてくる◯ンターのような男だ。



「おい!待てよ!どうしてくれるんだよ!!」



俺は恨めしそうにパンを見つめる。

鳩たちが、嬉しそうにパンをつついていた。

とんだランチになったもんだ。


だがさすが俺だ。

もう一つパンを買っていた。

あんバタードーナツだ。

まるで未来を予測していたかのような

危険予知能力!

ついている。


あんバタードーナツは袋ごと

地面に落ちていたが問題ない。


俺は袋を開けた。


……なんだこれ?



中には赤や青の珠がついた手のひらサイズの

四角錐が入っていた。

俺はそれを取り出した。


美しいが美味しそうではない。

色は5色。それぞれが美しい光を放っている。

太陽に照らされ、さらに光を強めた。

眩しさに俺は左目を押さえた。


は? どこでどうなった?


袋を見ると、円の中に赤い鳥居の

マークが描かれている。


パンが鳥居に変わっている?!


あの女性が間違えて持って行ったのだろうか?



俺はなんとなくそこに置いていく気になれず

水澤プラネタリウムに持ち帰ることにした。

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