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栄光のユトランド~デンマーク王国はシュレースヴィヒ=ホルシュタインを守り抜けるか~  作者: 玉井タマタマルアー


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鉄工所

今回は短め。

1851年 デンマーク オーフス


 オーフスは今、今までよりも沢山の船が行き来する大規模港湾となりつつある。1845年より港が拡張されている中と一年前にある小さな製鉄所の持ち主が変わったのだ。



 それと同時に施設の拡張と人員の募集が行われ始めた。奇妙な機械が次々と運び込まれている。施設の拡張に連動するように、大量の鉄鉱石と石炭がどんどん港に陸揚げされていく。



 工場の外では高炉によって銑鉄が作られ、作られた銑鉄は内部に含まれる不純物を酸化させ、溶けた銑鉄は工場の中にはいり、大量の転炉によって、不純物を取り除かれ、大量の鋼材が生産され型に流し込まれていく。鋼材の一部はレールを生産するためにレール用の型に流し込まれる。



 そして、港と工場を結ぶ鉄道に搬入されるとオーフスの港に運ばれそこからクレーンによってイギリス等の海外にどんどん輸出されていく。



 因みにこの路線は、1847年6月26日にデンマーク最初の鉄道路線としてコペンハーゲン-ロスキレ間が開通したのに続き2つ目の路線である。これにより、効率的に石炭や鉄鉱石の運搬、生産した鋼材の搬出が可能になった。



 この工場はベッセマー転炉をさらに改良したトーマス転炉を用いて、ある程度の品質の鋼材を大量生産し、イギリスやドイツ諸国などの近隣諸国に売りまくることによって利益を上げている。



 お陰で今まで1トンあたり40ポンドの販売価格出会った鋼材を1トンあたり6ポンドで作れるようになったのだ。それでいて販売価格は関税なども込で30ポンド。輸出すればする程飛ぶように売れる。鉄鉱石や石炭を輸入していても圧倒的な利益をあげることが出来る。



 そう、何故ベッセマー転炉からトーマス転炉になったかと言うと、ベッセマー転炉ではリンを含む鉄鉱石の燐鉱石が使えないのだ。しかも、ヨーロッパで産出される鉄鉱石のうち、燐鉱石は9割を占めるのだ。そこで、この問題を解決する為に耐火材料に塩基性のドロマイトを用いたトーマス転炉を急いで作ったのだ。



 トーマス転炉により、独仏国境地帯にあるロレーヌやルクセンブルクに大量に埋蔵されていたミネット鉱の高燐鉱石を使えるようになり、従来の6分の1の値段で鋼鉄を生み出せるようになったのだ。



 しかし、塩基性耐火煉瓦を作る為にベースは酸化カルシウムと酸化マグネシウムを用いるので新しく工場を作らなければならなかったのだ。



 だが2つの工場によりデンマークの工業化は確実に進みつつある。デンマーク国内でも鋼材を使った建築も随時始められている。



 今出ている利益によって行われる配当金は、ペーパーカンパニーを通してほぼ単独の株主である私の懐に入っている。このお金で水圧プレス機や鉄道連絡船を購入したい。他にもイギリスから導入したい工作機械は沢山ある。



 資金の一部は、投資会社を通して国内の投資に使っている。その中でも主に、国内の鉄道を延伸させるのに投資している。最終的には鉄道連絡船を使いフュン島・シェラン島・ユトランド半島を繋ぎたい。そうすることで対プロイセンの為に人員や物資を効率的に運び込める様になる。



 鉄道で各地を繋ぐことによってデンマークの一体感を醸成し、ナショナリズムをさらに高揚させる。



 プレス機は、金属薬莢制作のために必要だ。しかし、金属薬莢の制作は一朝一夕にできるようなものでもない。なので早めの導入を行ない機器の性能向上と技術の習得も行いたい。無煙火薬の開発・研究も行わなければならない。

プロイセン怖すぎ。

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