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工作機械

この時代は技術の進歩が目まぐるしいので調べるのが大変。

1850年

やはり、材料の製造と来たら次は材料の加工でだろう。よい材料を使い、よい工作機械とそれを操る職人を持って良い製品が完成する。これら、機械工作において最も欠かせない機械のひとつはやはり旋盤ではないだろうか。



 この時代には大体旋盤の形は出来上がっており、これから様々な機能を持った旋盤が登場してくる時期なのだ。



 そこで工場に導入したのが1840年代にアメリカの兵器工場で規格小部品をチャック旋盤で旋削するために開発されたタレット旋盤だ。



 しかし現在では、刃物台が回転して工具を入れ替える方法は、汎用旋盤にも用いられている。なので今回工場に導入した工作機械を現在ではタレット旋盤とは呼ばないので注意だ。



前置きした所で、普通のタレット旋盤を導入する訳がない。アメリカから輸入したタレット旋盤を参考にしつつ、それを改造してとある機構を組み込むのだ。



 その名もブレイン・ホイール。この正体はカム機構で構成されている装置だ。仕組みとしてはオルゴールが近いかもしれない。これにより高精度のネジを大量に制作することができるのだ。急ぎ仕様を纏めて工場に発注をかける。



 この時大変なのが、私の知識内にある設計図を現実の紙に落とし込む時にメートル法から今現在つかわれているデンマークの度量衡に落とし込む作業だ。



 史実でデンマークがメートル法を受け入れるのは1907年。まだ50年以上先のことである。流石に国の度量衡を変えるとは行かないので設計や計算をし直して丁度良い感じに書き換える作業に時間を取られるのだ。



 デンマークポンドやエル等、デンマーク人として産まれていなけれ全く分からなかっただろう。



 まだまだ、足りない。さらに1枚の設計図を書き上げた。形としては、ブラウン・アンド・シャープ製の万能フライス盤とほぼ同じである。



 この万能フライス盤は、現在の最も一般的なフライス盤であるひざ型フライス盤の原型であり、ひざとコラムを持った最初の旋盤である。



 こいつは史実では1870年代頃に産まれるのだが、それでは間に合わない為一足先にこの世に誕生してもらった。



 こいつの凄いところは、ボール盤の切削速度と精度は画期的に向上させたことだ。加えて、この機械にさまざまな形のフライスを取り付けることにより、いろいろな大きさの歯車が切削することが出来る。



 史実においてもこの機械はウィンチェスターライフルの製造に使用されている。



 これら、多くの最新鋭工作機械を導入することによってデンマークの工業化を推進するためのモデルケースとしたい。



 この時代のデンマークは、ユトランド半島南部やシュレースヴィヒ・ホルシュタイン両公国の肥沃な大地による穀物の生産と穀物の輸出によって成り立っている。



 今現在は、イギリスが1846年に穀物への高額な輸入関税を廃止して以降、輸出が活発化しており好景気となっている。この好景気が続く1870年代までに資本を貯え、工業化を推し進めたいのだ。

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