初配信振り返り雑談配信前、兄貴は
日本、世界のトレンドが共に1位となった、華恋ちゃんの兄貴こと、夜宮翔。ここからは、配信を終えた翌日の話だ。
◆◇◆
「〜♪」
いつも見ていたVtuberの配信を、自分が実際に初めてやってみると、案外難しいものだった。疲れきっていて寝ていた咲楽も、配信終了時には起きてきた。何やってんの、って少し注意だけ受けたのだが…。なんだが清々しい気持ちで、俺は学校に向かい、玄関のドアを開けた。
学校の教室の席に着き、あまり周りの生徒がいないことを確認する。黒くXと描かれたアプリを立ち上げる。真っ先に確認するのは、乙宮華恋のアカウントだ。何やら固定呟きが更新されていて、内容を確認すると配信告知と書かれていた。
【配信予告】
昨日は寝てしまい申し訳ありませんでした!!
今日は昨日行う予定だった初配信振り返りをやります!
是非、21時からお越しください〜!
待機所は返信欄
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という呟きだった。いいねも1000は付いててかなり拡散されている。配信する本人ではないがなんだか少し嬉しくなり、怠い学校も少しだけ軽い気持ちで過ごせるような気がする。
今日は理系科目が死ぬほど難しかった。なんだよ加法定理って。こんなん定期考査で赤点取る自信があるぞ。勉強なんて一旦忘れて、さっさと夕飯作って、咲楽の配信に備えなきゃな。夕飯は何しようか、頭の中で冷蔵庫の中身を思い出しつつ考えながら歩く。
◆◇◆
「ただいま〜」
「……」
誰からの返事もなかった。勉強するとのことで、咲楽はまだ学校らしい。偉いぞうちの妹。
改めて、冷蔵庫の中身を確認する。野菜が思ったよりも少ないな…。でも、鍋くらいなら作れそうだ。急いで準備しよう。
咲楽が帰ってきたのは、配信2時間前の19時だった。
「おかえり咲楽、ご飯にしようか」
「ただいま、ありがと兄貴」
小走りで部屋に向かう咲楽。少しすると、鞄と制服を置いてきて部屋着になった咲楽。
『いただきます!』
人参、白菜、豚肉等がたっぷり入った栄養満点の夕食。多分全人類の誰もが好きだろう。大人2人分くらいうめうめしてやるよ。
40分くらい、まったりと夕飯を堪能した。大分満腹になり、眠たくなってくる。
「ご馳走様、兄貴。美味しかったよ」
「それはよかった、配信頑張ってな」
「うん」
咲楽はテクテクと自室へと向かっていった。俺はまだ配信まで時間があるし、少しだけ勉強してから咲楽の配信を見るとするか。
お久しぶりです、七瀬瑠華です
最近、学業が忙しく、更新が遅れてしまいました
まだ期末テストと英検の二次試験があるので頑張ってきます
……バレンタイン…。更新できたらいいな…。