初配信振り返り雑談配信しようと思った。
『Vtuberの兄貴』
が日本のトレンド1位になっていた裏で、俺はめちゃめちゃに震えていた。学校で噂されていないかとか、身バレしたらどうしようとか。流石にそんな事ないと思うが、やっぱり不安になる。とりあえず寝よう。きっと忘れてるはずだ。
世界トレンド第2位 Vtuberの兄貴
「…は?」
スマホに映された画面を見て俺はつい独り言が口から溢れる。いやいや、何でだよ。なんでそうなっちゃったんだよ。おかしいだろ。本当ならトレンドランキングも下がっていくはずなのに、逆に凄い方行っちゃったよ。日本のトレンドも1位を維持。うん、なんで?
俺が慌てふためいていると、妹が部屋に入ってきた。
「…兄貴、今日配信するわ、21時から」
どうやら2回目の配信を21時から行うということらしい。内容は、初配信振り返り雑談とのことだった。
「あぁ、いいぞ。学校頑張れよな」
俺はそう言って、朝ご飯も食べずに家を飛び出し、学校へ向かっていった。
教室では、あの乙宮華恋の兄貴の話で持ちきりだった。やべぇ。非常にやべぇ。俺は隅っこの席なので、誰にも話しかけられずに、1日を過ごした。
つもりだった。
「おーい夜宮、今日カラオケ行かね?」
そう話かけてきたのは、クラスメイトの櫻井涼太だった。中学時代からちょくちょく話し、連絡先を交換する程度の間柄の人物だった。
「あー…悪い、今日ちょっと用事あるわ」
「そっかー。来週辺り空いてるか?」
「空いてるよー」
「じゃああの辺りで誘うわ!」
「了解ー」
そんな感じで薄っぺらい会話を交わして教室を出た。現在17時。あと4時間後、第2回の配信が始まる。
配信時間の21時は刻一刻と迫ってくる。緊張ってえぐいな。
「咲楽ー、ご飯できたよー」
兄貴が私を大きな声で呼ぶ。いつもの楽しみの時間。今日の夕飯は何だろな。わくわく。
「今日はグラタンだよー、配信頑張ってくれよな」
「…うん、ありがと」
『いただきます!』
野菜がたっぷり入ったグラタン。我が家は人参がいい感じにカットされたのがいっぱい入っている。
「…うん、美味しい」
「よかった〜」
そんな程度の会話を交わす。
『ご馳走様でした』
「配信頑張れよ」
「ありがとう」
現在20時30分。配信まであと30分。
「あぁ、何話そう…」
ベッドで横になりながらそんな事を考えていると、いつの間にか夢の中へ旅立っていた。
「咲楽のやつ、配信遅いなぁ…」
コンコンと部屋のドアをノックして部屋に入ると、ベッドですやすやと寝息を立てる咲楽がいた。配信は自動で始まるようになっているため、コメント欄の皆が
『華恋ちゃんどうした!?』
みたいなコメントで埋め尽くされていた。
お疲れ様です、七瀬瑠華です!
次回が楽しみになる最後ですね…w
年内の投稿はこれでラストだと思います!
来年もよろしくお願いします!