初配信前日
「私の初配信、成功できるように助けてほしい」
「俺が…か?」
「うん…だめ?」
妹の初配信だ。絶対に成功させたい。だが、そんな重役が俺に務まるのか。俺が出した答えは…
「お前の兄貴だ。それは勿論助けるに決まってるだろ」
正直、妹が大好きな俺にとってはこの結論を出さざるを得なかった。よくVtuberの配信も見るし、配信を参考にしていけば、力になれそうだった。さて、どうやって力になろうか。そんなことを考えてるうちに、俺は夢の中へ旅立っていった。
「……はっ!今何時だ…?」
リビングのベッドで寝てしまっていたみたいだ。壁に掛けてある時計を確認すると、長針は六を、短針は一を指していた。カーテンを開けると、太陽は真上にあった。真っ昼間だった。
「あっぶねぇ…祝日で良かった」
俺はキッチンへ向かい、いつも通りホットミルクを準備して二階にある咲楽の部屋へ行った。
「咲楽ー、何してるんだー?」
「あ…兄貴。ちょっとこれ見てほしい」
そう言って、俺にパソコンの画面を見せてきた。画面には「初配信」と書いていた。
「初配信で使うスライドだから、なんか気になる所があったら教えて」
「ああ、分かった」
ゆっくりと文字を読みながら、マウスを右クリックしていく。
名前:乙宮華恋
年齢:教えなーい♡
特技:ゲームと歌!
一言:歌が大好き☆皆と仲良くしたいな〜♡
「…いいじゃん、これ」
「…だよね〜…え?これでいい?」
咲楽は戸惑いながらも、答える。
「うん、インパクトもいいし、ファンも増えると思うよ」
「……やった」
咲楽は小さくガッツポーズをして呟く。
「あ、一つ気になったことがあってさ」
「うん…」
「ファンネームってあるじゃん。それどうするの?」
「確かに…どうしよう」
新たに一つ、悩み事が出てきた。俺も考えてなかった事だったから、急には考えつかない。どうしよう。初配信は明日だ。
お疲れ様です。七瀬瑠華です。
なんとか更新できてよかったです。これからも頑張ります。よろしくお願いします。