自分達は逆さま
1本の動画だった。クラスメイトが少女の歌っている姿をネットに公開した。その日から全部狂った
1つの画像だった。クラスメイトが少年の描いた絵をネットに公開した。その日から全部狂った
私は頑張って芸術高校に合格した。人より絵の才能はあると思う。けれど私には絵の才能は無かった…
俺は頑張って音楽高校に合格した。人より音楽の才能はあると思う。けれど俺には音楽の才能は無かった…
父と母はネットで活躍するインフルセンサー。母は動画の編集は苦手だが、料理、音楽、絵画等の才能は人よりずば抜けていた。持ち前の能力を活かして活動している。父は逆に音楽、料理、絵画の才能は無いが、代わりに動画の編集が人よりずば抜けていた。そしてお互いにゲームのうまさもあった。
「なぁ悠野」
「何?一希」
「俺って音楽が好きだからあの学校行ったよな…」
「そうね、私も、絵が好きだからあの学校にした」
「俺、お前より絵の才能があるかもしんない」
「偶然ね、私はあんたより歌の才能があるは」
自分達は逆さまだった。
気が付かされた1つの投稿。自分達はやりたい目標のために頑張って来た…それを全部覆されたらどうだろ大抵の人は絶望するはずだ…でも自分達は諦めなかった。
「お前音楽やめろよ」そう言われたことがある。それくらい俺の書いた絵は魅力的で、素晴らしかったのだ言われるであろう事ではあったがやはり辛かった…俺がアイツだったら良かったのに…そう何度も思った。いつしかアイツに復讐心を抱いた。
「貴方絵やめたら?w」そう言われたことがある。それくらい私の歌った歌は美しかったのだろう…とても辛かった…アイツの才能を羨ましく思った、悔しかった、許せなかった。いつしかアイツに復讐心を抱いた。
両親はあの投稿のあと、俺たちが傷ついているのを知り、すぐ保護者や弁護士に相談した、結果的に投稿した奴らは厳重注意だけで済み、あげた投稿も消された。でも何故だろう…復讐心だけは残り続けた。
夜、食卓を囲んでご飯を食べる時、いきなりに殴られた、痛かっただから殴り返した、悔しかった、だから殴り返した。
気がつけば大喧嘩になっていた。認められないのがストレスになってた。互いに復讐心を抱いてた。
そのあとは父と母に怒られた、とても怒られた。でも深くまでは責めなかった。事情をわかっていたからだった。
いつからだろう、悠野と名乗るようになったのは
小さい頃から女子だと思って生きた。自分は絵を描くのが大好きだった。でも『男』として生きていくのを強制された時、初めて違和感を感じた。両親に初めて刃向かったと思いう。理解出来きれて無かった両親もいつしか認めてくれた。そして私は『一希』を捨て『悠野』になった。
いつからだろう、一希と名乗るようになったのは
小さい頃から女子だと思って生きた。自分は歌うのが大好きだった。でも『女』として生きていくことを強制された時、初めて親に切れたと思う。自分らしく生きたいのに縛られるのは嫌だった。初めは理解してくれなかった父と母もいつしか理解してくれた。
そして俺は『悠野』を捨て『一希』になった。
生まれた時から私たちは過ちを犯した。
この子達の人生野為だと思ってたことが、苦しめる事になるなんて知らなかった。何もかもが逆だった。
そして気がついた。あの子達は…
逆さま という事に
読んでくれてありがとうございました。
初めての投稿でどれぐらい読まれるか不安ですがよろしくお願いいたします。