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第6/月蝕の宴

 電気と音楽が復帰し、『にぎやか』に包まれる。

「あ、只今、電気が復帰したようです。では、先ほどの続きを……」

 アナウンサが、再びマイクを向けると、そこにアルファの姿はなく、代わりにアルファと同じ服をした白い小さい人形があった。

「人形……?」

 アナウンサは、不思議そうな顔をする。椅子の上に、残された人形。

「……さて、ここで問題です。この人形は、誰のでしょうか? お電話はこちら……0120-1、2、3、4、5、6、7、8、9、10! まで! 携帯電話、PHSからも、かけられます」

 アナウンサが言うと、あちらこちらから、電話のコール音がする。たくさんの問い合わせの電話が、鳴り響いている。

「お電話、ありがとうございます。たくさんの、お電話お待ちしております」

 アナウンサは、鳴り響く電話の音にあわせ、踊りだす。それは、奇妙な動き。不気味なダンスにあたりは無音に包まれる。アナウンサが変な動きをしたばかりに、電話音ぱったり、消えてしまった。

「……只今、電話がつながりにくくなっているようです。さすが、祭り会場!電波が弱い。……というか、電波は関係ない」

 ふつうなら、もっと『問い合わせ、苦情』の電話が増えるはずだろうと、アナウンサは思うも思惑通りに行かない。


 再び沈黙に包まれる。


 黒子が現れ、「CM」と書かれた板を持ってきた。こういうときは、それでごまかすのだ。

「はい、ここでCMです」

 花畑にチョウチョが舞うような音楽が流れ、世界は宣伝の声に包まれた。

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