表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
更科、ずっと前から…  作者: ドスサイントス
1/4

「0.5秒の出会い」

ここはとある都会の町、燦々と輝く太陽のもとで一人の少年とその友達がいた。


「あーあっちー」


「お前それしか言えねーのかよ」


「それ以外言うことねーもん」


彼の名前は牧野楽翔まきのらくとその友達は高野幸平たかのこうへい。牧野は人生で一度も付き合ったことのない大学生だ。その現実から逃避するために、高校生の時オタクと成り下がり現在進行中である。


「じゃ、俺あちーし本屋寄るからここで」


「またオタク漫画かよ」


「そーだよバカ」


牧野と高野は駅の前で別れた。ここから本屋に行くために電車に乗る。


「ここ人多いんだよなー」


人の波にのせられて電車乗った。車内は冷房が効いているはずだが、人の体温のせいでむしむしと暑かった。


「あ、あと十分く、くらいか」


やっとの思いで目的の駅に到着した。外に出ると開放感が一気にきた。そこで車内に冷房が効いていたことに今さらながらに気付いた。

本屋までの道のりは少しキツイ。しかし、牧野はたんたんと進む。踏みしめる一歩一歩が弾んでいた。


「運動してたかいがあったわ」


本屋に着くと、今までの疲れがスーと抜けて気持ちが良かった。牧野のようなオタクからしたら本屋は宝庫だ。まるで宝探しのように、ウキウキした気持ちで宝を探す。


「あーこれもこれも欲しいなー」


欲しいものが多すぎてなかなか決められない。


かれこれしているうちに時間が随分経ったようだ。


「よし、帰りますか」


帰りは結構空いていてすんなり帰れた。駅を降り、この横断歩道を渡れば家だ。すると、反対側の方から女の人が歩いて来る。牧野は確信する。あの子はかわいいと。そしてすれ違いの瞬間、パッと彼女の方を見た。一瞬だがやはりそうだ。


「かわいい!」


彼女の髪は短く、毎日ケアを忘れていないほど、サラサラだった。そして、わずかにシャンプーのいい匂いがした。


もう会えないと分かっているのにその日は気になって夜も眠れなかった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ