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第六話 連れ去られたヒロインの救出!


「お母さん!?」

「おい!リーネ!待って!!」


リーネはナタリーさんが倒れているのを見ると俺の制止を聞かずに駆け寄った。目で追うと倒れているナタリーさんのそばにチンピラが2人立っていた。


「何してるの!!」

「あ!?誰だオメェ」

「こいつじゃねぇか?リーネってやつ」

「こいつがか?まぁ、確かに可愛いな。他にもいいやついねぇかな?」

「おい!目当てのやつは見つかったんだ。さっさとずらかるぞ」

「ヘイヘイ」


チンピラどもはリーネを見つけると魔法で拘束し連れ去っていった。周りの人は何も出来ずただことの成り行きを見ているだけだった。


「ナタリーさん!大丈夫ですか!?」

「私は…大丈夫だよ…。それより、リーネは?」

「チンピラ2人に連れていかれました」

「そうかい。…ヨーマさん、危険なのは分かっているがリーネを取り返してきてはくれないだろうか」

「もちろんです。言われるまでもなくそのつもりでした」


俺は必ずリーネを取り返すと約束しナタリーさんを野次馬に任せるとチンピラが走っていった方向に向かった。


「くそっ!やっぱりもう見当たらねぇか!こうなったら、サーチ!見つからない?」


サーチの範囲は短く気配や姿を消していると見つけることが出来ない。


「早くしないとリーネが………!そうだ、こういうときの為に神様に能力を貰ったんだ!」


成功するためしはなかった。実際、一度失敗している。だが、そんなことを考えている余裕はなかった。


「必ず成功させてやる!」


俺は目を瞑り能力を使った。頭の中にいろいろな形、色、大きさの魔方陣が浮かんでくる。魔方陣を創るのはかなり難度の高いパズルのようだ。しかも、今回は早急に創らねばならない。失敗は許されない。


「くっ!」


沢山の情報に頭がいたくなる。だが、そんな事で止められはしない。多くの魔方陣の中から白と緑の魔方陣を選び出した。空間魔方と風魔法だ。そして、その中からさらに使えそうな魔法を選び出し合成する。


「これとこれ。いや、違う!こっちだ!」


沢山の情報の中から最適なものを選び遂に完成させた。時間にして約1分。よく理解せずに短い時間で何度もかなり速く合成と分解を繰り返したため頭が割れるようだ。


「スペースフェストとフェイヴァラブルウインド。そして、インラジルローヴァ!」


この魔法は空間の固定と協力な追い風を吹かせるそして、無制限に対象を捕捉する魔法だ。使ってみるとかなり操作が難しく何度も地面や壁にぶつかったが魔法を止めることなく突っ切った。次第に慣れてきて、索敵も完了した。


「そこか!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「あれ?ボスはどこだ」

「多分あの部屋だろうよ」

「ん?あの部屋……あぁ!今までに難癖つけて連れ去ってきた子がいる部屋か!いいよなぁ、ボス。一日中可愛いことしまくれて」

「俺たちだってボスのおこぼれもらってるだろ?さすがに一日中ではないが………ん?どうしたんだぁ、嬢ちゃん?今の話が気になるか?」

「お前もどのみちあいつらの仲間になるんだ。教えてやろう。お前はなぁ、これから一生俺たちの玩具だ!!使えなくなったらポイだから頑張ってボスの機嫌とれよ?」

「あぁ、言っとくがここは特殊な結界が張ってあって念話も索敵も使えねぇからな」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「おらぁ!」


ドゴォン


「はぁ?なんだ!?」

「おい、お前らリーネはどこだ?」

「ヨーマさん!来てくれた……んだ?って血が!?」

「あぁ、これね。操作のムズい魔法使ってとばしてきたからあっちこっちにぶつかって」

「はっ!どうやってここを見つけたか知らんが、その様子だと魔法もほとんど残ってないんだろ」

「そんなボロボロの姿で俺たちに勝てるとでも思っているのか?」

「あぁ、勝てる、勝って見せる!」

「ヨーマさん。逃げて!この人たちのステータスプレートかなり明るい青よ!」


(明るい青と言うことはE1位だろうか?もっとまともなことに力を使えば職はいくらでもあるだろうに。っとそんな事考えてる余裕は無かった。E1か。かなり格上だな。普通の魔法じゃ無理だな。もう一回創るか)


俺は目を瞑り魔法を創り始めた。先程のでほとんどコツは掴んでおり、かなり速く創ることが出来そうだ。それに幸い敵はかなり油断してくれている。その間にさっさと創ってしまうことにした。


「おいおい、どうしたんだ?目なんか瞑ってよぉ。諦めたのかぁ?」

「彼女の前で格好を着けたがランクを聞いてビビったか?そうだ!ここを見つけられた褒美だ。お前の彼女はなぁ、お前の前で犯してやるよ」

「兄貴、それはいい考えですね!最高のプレゼントだなぁおい?」


チンピラどもはランクは高いが馬鹿らしい。何が面白いのかゲラゲラと笑っている。


「それは許せんなぁ?リーネの初めては俺も狙ってるんで…ねっ!」


ヒュンッ


「グアアァ」

「は?」


俺は魔力上限の解除と身体能力の強化、身体硬化、魔力弾を創りそしてそれを使った。先程、チンピラの一人を吹き飛ばしたのが魔力弾だ。ただ単に魔力の塊を飛ばしただけだ。時速100キロくらいで。


「お前!今、何しやがった!」

「敵に教えるとでも?」

「な!?」


ドスッ


俺は相手の間合いまで一気に近づきその勢いのまま相手の鳩尾目掛けて殴り飛ばした。


ドガァァン


派手に壁にぶつかりチンピラ二人とも気絶したようだ。俺はそれを確認するとリーネの梗塞を解いた。


「大丈夫か?なにもされてないか!?」


ガシッ


「!!??」


俺はリーネに抱きつかれていた。驚いて離そうとしたが震えているのに気付きそっと抱きしめた。


「ヨーマさん。ありがとう!怖かった」

「ごめんな、すぐに来れなくて」

「ううん。来てくれただけで嬉しい!」


俺はリーネが落ち着くのを待って帰ろうとした。だが、そう簡単にはいかない。ギィっと扉の開く音がしてそこから明らかにさっきのチンピラとは格が違うやつが出てきた。おそらく、D1もしくはそれ以上。しかし、俺は負ける気がしなかった。


「リーネ、少しここで待っていて」


俺はリーネに大丈夫だからと言って座らせらると男の前にたった。


「人がせっかく気分よくヤってたのによぉ。ドタバタ音がするから何事かと思えば。死にたく無かったらそこの女置いていけ、まぁその場合そいつは壊れるまで犯してやるがなぁ!」


俺はそいつがそう言った瞬間相手の顔を蹴りあげた。これで終わってくれればいいのだがさすがにそこまで容易くはない。ギリギリで直撃を避け反撃までしてきた。やはり先程のとは比べ物になりそうにない。そう分かると俺はさらに身体能力を上げた。


「速さなら俺も負けねぇぞ?」

「なに!?グッ!!」


二段階も上げたというのにこの男は余裕そうに着いてきている。


(いや、どちらかというと俺が追いかけるが話か?こうなったら、上げれるだけ上げてみるか?操作がきくといいんだが)


ドガン


俺は予想通り壁へと突っ込んだ。


「いってぇ!」

「操作が全然なってない…ぞっ!」

「ウグゥ」

「ほらほら避けねぇと死んじまうぞ!」


男は壁に突っ込んだ俺に遠慮なく蹴りをいれてくる。身体を硬化しているためほとんど効いていないがそれでもダメージは溜まる。操作がきくギリギリまで能力を上げ一旦離れた。


「あんた、強ぇな。傭兵でもやれば儲かるだろうに」

「興味ねぇな。俺は可愛い子と好きなだけヤりてぇだけだからな」

「そうかい。なら、いい。お前をぶっ飛ばす!」


明らかに操作がきかないところまでスピードを上げ、壁にぶつかっても耐えられるように硬化も上げた。そして、俺は自分ごと敵にぶつかり男の意識を刈り取った。


「ふぅ、硬化魔法が耐えられてよかったぜ」

「ヨーマさん!大丈夫なんですか?すごい勢いで壁に突っ込んだよね?」

「あぁ、なんとか硬化魔法が耐えてくれた。にしても疲れたなぁ。ちょっと…休憩…させてくれ」


男が気絶したのを確認すると俺の意識もプツリと切れた。





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