第三話 初めての狩り、そして、宿にて
「ファイアスピアー!」
グギュウ!!
「ふぅ~、魔法ってこんな感じかぁ」
今はレベルを上げるために町近くの草原で魔物を狩っている。ギルド館にクエストボートと言うものがありそこには適正ランクと内容が書かれた張り紙があり、それをクエスト受注カウンターに持っていくと受けることが出来るようだ。使っている魔法は普通の魔法だ。能力で創ったものではない。創ろうとしたがかなり難しかった。
「これは、慣れが必要だな。にしてもランクが多すぎるだろう」
そう、気になって聞いてみたところランクはかなりあり、高い方からSSS、SS、S、A、B、C、D、E、F、Gと十個あり、そしてそれに1、2、3があり、さらにそれぞれが-、ノーマル、+に分かれている。ステータスプレートを無くした場合は最初からという決まりらしいので、俺はG3-だ。このランクは10レベルで一つ上がるらしいので最大のSSS1+にするには900レベルはいるそうだ。因みに今までで存在したのはS1+の715までだそうだ。もちろん勇者である。
「魔王を倒すのに必要なレベルはA1+で十分で勇者は魔王を倒して暇だったからレベル上げてたとか、レベルの基準を考え直せよな」
そんな事を呟きながら俺はクエストを進めていた。今はザナボアと言うイノシシの牙が大きくなったようなものを狩っている途中だ。
「確か10匹でよかったはず…、うん。えっと、証明部位は…、やっぱり牙か」
魔物によって証明部位は異なり、それをもって帰らないと倒したことにはならない。だが、数に含まれないだけであってレベルは上がるようだ。なので多めに狩ってあまりは捨てて置こうと思ったが売れるかもしれないのでもって変えることにした。
「あっ、でもバックに入るかな?30本くらいあるぞ、これ。ううん、まぁ、とりあえず入るだけ入れるか。…………、おぉ、全部入った。と言うことはレベルが……、20?早くないか?最初はこんなものなのか、神様効果なのか」
たかだか30匹倒しただけなのに気が付いたらここまで上がっていた。
「うん?てことはランクがG3になったのか。早速ギルド館で報告するか」
「うそでしょ!?」
ギルド館に戻ってレベルを報告したところそう言われた。やはりかなり早いようだ。人によって上がり方は様々だがここまで早い人はいなかったようだ。カウンターの女性は驚いていたが手続きを済ませステータスプレートを更新してくれた。
「ん?色が少し変わったか?」
「はい。ランクが上がるにつれ色が明るくなり、GからFへと上がると紫色から藍色へと変わりますよ」
なるほど、いちいちレベルを確認しなくても色と明るさで大体のレベルが分かるようだ。俺のはかなり濃い紫色だ。……、もしかしてこれ、虹かな?そんな事を考えているとカウンターの女性が何かを渡してきた。
「これは?」
「ランクが上がったときに渡しているものです。あなたには、銀貨1枚です。ランクが高くなるにつれ、報奨も増えるので頑張ってくださいね?」
ここでの金銭感覚はよくわかっていないが、まぁそこまで高くはないだろう。銅貨10枚で銀貨1枚、銀貨10枚で金貨1枚、金貨10枚で白金貨1枚というぐあいらしい。
「それと、あなたにはこれもどうぞ」
「武器交換券1?」
「はい。武器屋で売っているもので銀貨5枚までの好きな武器と交換できます。レベルの上がりが早かったので将来への投資のような物だと考えてください」
そう言うことか。確かにレベルの上がりが早い人は強くなり易いので町の守りにもなるし、自分の町のギルド館に留めて置きたいというわけか。
「ありがとあございます!早速使ってみますね」
「あぁ!ちょっと待ってください!」
「へ?」
「交換するのはいいですが、ぼったくりの店もあるので気を付けてください。因みに、銀貨1枚でいい店を紹介しますが?」
ただでは交換券を渡さないということだな。折角の交換券を無駄にしたくはないし、銀貨1枚なので先程の報奨の分を渡した。
「これでお願いします」
「かしこまりました。バルディーレと言う店なのですが、このギルド館を出てまっすぐ南方向に進んで1キロほど歩くと右側に細い裏道があるのでそこに入って道なりに進むと店があります。」
「バルディーレですね?ありがとうございます」
俺はその女性にお礼をいってギルド館をでた。武器屋に行こうかとも思ったが暗くなっていたので明日にし、近くの宿に泊まることにした。
カランカラン
「あのぉ、1人なんですが泊まることはできますか?」
ギルド館を出てすぐのところにあった和風ぽい感じの宿に入った。中に入ると鈴が鳴り近くにいた女の子がやって来た。
「いらっしゃいませ。お一人様ですね?何泊されますか?」
「そうだな、とりあえず10日にしておくよ」
「10日ですね。かしこまりました。1日銀貨2枚で10日ですので1日分サービスで、銀貨18枚です。それと、お名前を教えて下さい」
「俺の名前はヨウマだ」
「ヨウマさんですね?食事はどうされますか?1食につき銅貨5枚、3食にしてもらいますと銀貨1枚と銅貨2枚になります」
「あぁ、3食にしてくれ」
「ありがとうございます。早速、夕食にされますか?一度部屋に行きますか?」
「荷物を置きたいから部屋にお願い」
「部屋ですね?鍵をとって参りますので少しお待ち下さい」
同年代の女の子でとても礼儀正しく、落ち着いている感じの女の子だった。家のお手伝いかな?色々と考えをめぐらせていると女の子が鍵を持って戻ってきた。
「お待たせしました。それではお部屋に案内します。こちらにどうぞ」
そう言って部屋に案内してくれた。俺の部屋は一階の奥の方だった。
「何か御用がありましたら隣が私の部屋ですので遠慮なく呼んでくださいね?」
(ほぉ、この子は隣の部屋にいるのか。)
初めての異世界で初めての狩りをしていたので疲れていて気が付かなかったが、かなり可愛い。腰までかかる長い白髪、身長は俺よりも5,6センチ低めで胸のサイズは
「Bかな………、!?あっ!」
慌てて口を塞いだ。
(やばっ、声に出ちゃった。聞かれてないよね?聞かれても胸のサイズだとは分からないよね?いや、そもそも胸のサイズをこんな風に測ったりなんか………)
そう僅かな希望にかけて女の子の方を見ると、女の子は顔を赤らめてうつむいていた。
(やっちまったぁ~!聞かれたぁ~。しかも、意味がわかってるぅ~。どうしよう?)
「えっと、その、………です」
「うん?何か言った」
頭のなかでいろいろと弁解方法、あるわけもないが考えていると女の子がぼそりと何かを言った。
「だから、その……、A……、です」
「な!」
いろいろと考えていた頭が一瞬にして止まった。少しして頭が動きだし先程の女の子の発言を考え始めた。
(あれ?この子何て言った?A?胸のサイズか?ならドストライクだな?いやいやいや!そうではなく!きっと聞き間違い…)
「胸……A…です。すみません……」
「いやいや、謝ることなんてない!むしろ謝るのはこちらの方だ!だが、Aか……」
聞き間違いなどではなかった。しかも謝られた。そして、
「男の子ってやっぱり大きい方がいいんですか?」
「いや、俺は小さい方が好きだ。因みにその白髪と言い、Aカップと言い俺のドストライクだ!」
「へっ?あの、その、ありがとうございま…す?」
女の子に胸のことを聞かれるとは思っていなく、驚いて何か聞かれてないことまで口走ってしまったような気がする。
「あの、すいません。忘れてください。」
忘れてもらおう。そう決めて、俺は女の子に土下座するのであった。