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家族

 僕は異形な姿にはならなかったが、別人へと変貌する。僕は自身を見ることができないから手足の部分でしか体の変異を確認できない。それに、今は隼人(はやと)ではなくフォートだから感覚が失いフォートから通しての情報しかわからない。


『君は無理してでてこなくてもいいんだよ』


「うるせー。俺は好きな時に美味しい場面で出現するんだよ」


 まったく、僕から生まれた人格だとはいえ自由だな。


「その自由って奴を俺たちは求めているんだろ?」


『君の思っている自由と一致するのかな』


「細かいことはどうでもいいんだよ。で、妹よ! 話がある」


 五百子(いもこ)はきょとんとした表情をしてから挑戦気味に答えた。


「なにかしら? もう一人の兄さん」


「なんだか、面白いことやっているじゃねぇか。しかしだ、兄を何だと思っている。兄は妹の所有物じゃねえ。逆だ」


 逆でもないが、フォートは自信に溢れている。というより、お調子者なのかもしれない。僕を補ってくれる人格。僕にはないものを持つ者なのだから。


「卑屈になるな。隼人。でだ、妹よ、兄をいいように弄ぶショーに満足したか?」


「楽しいけど満足はしないわ、所詮は似せたものですもの。早く兄さんといいことしたいわ」


「残念だな。俺もいいことをする。俺たちでだ」


「へ――」


 五百子は馬鹿にした様子もないが驚いた様子もない。なにか、狙いがあるようにこちらをみている。なにか企みでもあるのか。予想でもあるのだろうか。


「千人部隊いようが関係ねえ。俺は魔法で俺と同じ質の分身を同数増やすことができるからな」


「それは、すごいわね」


 たいして、脅威を感じていない。それでも、五百子とフォートは余裕で僕だけが不安に駆られている。


 そして、同質の自分を増やす魔法をフォートは行った。このなかで、一番に薬の口移しで影響が大きいのがカナタだった。彼女に瞬時移動して愛撫をしながら魔法薬の投与をする。フォートに大量の魔力がみなぎる。体から漏れて放出する魔力でさえ街を壊滅できるくらいの量だ。


「きたきた! この感じ最高だぜ! 見ろよ、妹よ。本当の変態はここまでできるんだぜ」


 この部隊にいる女性の同数だけ分身したフォートは瞬時個別に女の子達に移動する。そして、弄ぶ。


「ああん」


 皆がフォートの行為に気持ちよがり絶頂に達しようとする。その時、攻撃用の魔法薬を口移して更に魔力を高める。


 そして、各敵兵に突撃する。アンデッド兵は実際の実力がどうなのかおかまいなし、問答無用で瞬殺撃破していく53人対自爆人500と気配無き獣500のバトル圧倒的な展開で終結を迎えようとしている。


「相変わらず兄さんは短期決戦でことを終わらせようとしているね」


「戦はスピードだ。これ以上の良策もないだろ」


 確かにそうかもしれない。だけど。僕はフォートの奥底で腑に落ちない不安に陥った。都合が良すぎる。


「では、第二の策ね」


 ドン!


 フォート53人の背中から胸に腕が貫通した。


「なんだと」


 いつ、潜伏していたのかはわからないがそこには超獣と呼ばれた男がいた。芋生檻人(いもう おりと)、僕の父だ。


「作戦は二重にも三重にも張り巡らせること。兄さんはスペックが高すぎてどう転ぶかわからなかったから、父さんと手を組んだの」


「……」


 父はなにも言わなかった。


「けっ、隼人と俺の親父かよ。娘がこんなことをしてなにも思わないのかよ?」


 フォートは致命傷に関わらず通常の調子で喋った。焦りはないようだ。


「かまわんさ。息子の不祥事を始末するのが親の役目」


「不祥事だと?」


「我ら芋生家はキ国に服従しているのだ」


「けっ。プライドはないのかよ」


「あるな。任務を遂行し達成することがな。仮に別の者につかえていたとしても私のすべきことは任務をこなすことが全てだ」


「け、飼い犬が」


「ふむ、お前は少し口がわるくなったようだな」


「そんなことより、娘の品性を考えたほうがいいぜ」


「普通の親ならそうだろうが、娘の資質こうあるべきだからな」


「親、公認かよ」


 そう言うと、フォートは体に刺さった抜き手をはずして、間合いをとろうとする。傷口ゆっくりとふさがっていく。


「そもそも、戦いに品はいらない。必要なら品性向上するがな」


「それより」


 父と息子の会話に妹がわってはいってくる。久しぶりの家族がそろったというのにとても最悪な気分だ。


「隼人、俺はそうは思わない。決着をつけるときが来たということだ。どうなるかわからないがな」


「私を無視しないで! 余裕そうにみえてもさっきの戦いで何割か消耗してきたでしょ。兄さん大丈夫?」


 妹はまたもやクスクス笑う。


「先ほどのアンデッド兵をみただろう。消滅さえしなければお前は利用価値がある。悪いが今回こそ引導を渡すぞ」


 父には何の感情も伝わらない。殺気さえも。ただ、淡々と目的をとげようとしている。僕の家族とはいったいなんだろうか?


 五百子は僕が生ける屍になってもなにも思わないのだろうか。


「隼人、期待しない方がいいぜ。妹は狂ってやがる」


「そう、私は狂っている。だけどね、アンデッドなんて時代遅れね。私は兄さんを完全再生することができる。私好みに改良していじったりはするけどね」


 どうしようもない、奴だ。


 だが、妹を叱るより、超獣と呼ばれる父さんをどうにかしなければならない。フォート同じく、同質の分身が父にもできるようだ。


 戦いは、まだ困難を極めている。


よし! 二日連続で書いたぞ(; ・`д・´)

明日もか。明日もか。まあ、頑張ります(^_^;)

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