ハーレム実行部隊の襲撃
遙と抱き合った翌朝。べつにやましいことはしていない。寝静まる前にお互いは別々に寝た。それでも、怖かったり、嬉しかったりはした。
「ついに、この日が来たようね……」
早朝、遙が動揺してながら僕に告げようと部屋へと来た。僕には何のことかわからない。
「どうしたの?」
「ついに、君を篭絡する実行部隊が来たわ。見る?」
「見るって、どうやって?」
遙は僕に額に掌をあてる。そうすると街近郊の大森林でたむろしている集団が見えてきた。どうやら魔法で監視できるようだった。つけて加えて、いつでも周辺を監視できるようにしてあると彼女は言った。
一応に軍隊らしく一枚制服を羽織ってはいるが、あとは破廉恥な水着姿の女の子達が集結している。なんだ、あれは? その中に妹の五百子を中心に過激な格好の女の子達が隊列を組んでいる。あの、一見大人しい五百子が凄い格好だ。僕は口を緩めたが遙を気にして、再度、引き締めた。
これが。
これが、ハーレム部隊……。だと?
ハーレム実行部隊の襲撃。
なのか……。
僕は唾を飲んだ。ついに、この時が来た。大戦が起きる前に本当に。数は50人ほどいるかもしれない。戦うだけでも大変なのに、彼女らの目的は僕を落としにきた連中である。僕は貞操を守り切れるのか? 正直いって魅了的すぎて圧倒する。男の性質をあがなえないかもしれない。
古今東西で聞いたことがない。一人の男を虜にするために編成された女部隊なんて。僕はすでに心が揺れてどうしようもない。
遙が掌をはずす、するとビジョンが見えなくなってしまう。彼女の手は僕の下半身の前についてあるものに手をあてる。なにをするんだ! こんな時に大胆だな。しかし、あんな、恥ずかしい恰好の女の子達を見た手前で感度がよくなってしまい悪い気がしなかった。だが、やめてくれ。
「元気よさそうだね。朝だから? それとも……」
「からかうなよ。わかっているくせに」
彼女は嫌らしくも意地悪くもせずに大真面目な表情をする。
「これは、私の物だから」
僕がか? それとも手を当てている部分か? 聞きたくないが彼女は手を離さない。そんなことすると、僕は硬化している先が噴火してしまう。そんな、下品なことをさせないでくれ。大真面目なんだ。
「冗談じゃないから」
遙は優しく僕の硬化した部分をさする動作をやめずに本気の顔で話してくる。こんな時にやめてくれ!
「君もあんな、下品な人たちと一緒にならないでくれ」
僕は、遙にも抗う。せめてもの抵抗だ。
「そうでも、ないわ。これが一番手っ取り早い対処法」
「やめるんだ」
彼女はさすってくる。正直、どうしたらいいかわからない。だけど、僕はがまんして彼女の手を振り払う。
「私とは、嫌なの? こういう行為を、あちらも仕掛けてくるんだよ」
「がまんできる。僕はこうしてやってきた五百子に説得してみせる」
「本当に我慢できる? ただ、嫌らしいだけじゃないのよ。君は墜ちて心を許した途端に精神を束縛する魔法に捕らわれるわ。だったら、私に身を預けて経験したほうがいいじゃない?」
どういう、理屈だ。僕は男に生まれた喜びと下らなさを同時に感じた。
「五百子も遙も、易々と僕を落とせないからな。今まで一線を越える行為はしなかったしね」
「我慢してきたの、でも今は間に合わない。あんな連中より先に私を抱いて」
「嫌だ!」
僕は一人、ポイントノンの郊外にある大森林に向かう。五百子らをとめるために。皆、もっと自分を大事にしてくれ。命も心も体も大事なんだよ!
「待って、五百子ちゃんは本気だよ。だって五百子ちゃんは実は……」
僕は聞く耳を持たなかった。僕は走り抜ける。煩悩を振り払いながら。
そりあがり直立するものを抑えることもできないままに走り続ける。このままでは僕が変態だ。しかし、一向に鎮めることができないんだ。
森に入り人が通れる道を走る。その、道中に際どい恰好をした女の子たちが左右に並びながら僕を品定めしながら笑う。僕はますます興奮する。どんどんと下半身が硬化されていく。その様をみて彼女らクスクスと笑って僕の無様さを楽しんでいる。からかうだけでいいんだ! 本気にならないでくれ。多くの視線は僕に釘付けで甘い吐息のようなものが聞こえてくる。やめてくれ!
なんなんだ? この戦いは。僕は何もせぬまま疲弊してきた。僕はふざけているのか? 彼女らがふざけているのか。いや、皆は本気の様だ。おそろしい。
それでも、僕はなんとか五百子の前にたどり着く。こんなに簡単にたどりづけるのは僕を取り囲むためだろう。しかし、僕は五百子にようがある。
「はあ、はあ、はあ、もうやめにしないか? 五百子」
はしたない恰好をしているというのに……。五百子は存在感、威圧感は圧倒している。これが五百子?
「兄さん大丈夫? 我慢しないでね。どうやら、わたしが一番の所望ね」
「ふざけるな!」
いきり立つアレを抑えながら激高する。
「ふふふ、説得力ない」
僕の下半身を見て、それが証拠だと言わんばかりに笑う。屈辱的だが少しでも認めると自制が保てない。
「お前だって、こんなこと嫌だろう。僕達のもとに来い」
「そんなことはない。兄さん脱いで。楽しみましょう」
どうやら、正気じゃない。僕は戦うことに意識を集中することにした。淫らな格好をした五百子と部下の女の子達は僕を囲む。
「女の子達に手籠めにされるってどういう気分かしら。兄さん、覚悟して。大好き」
その、狂ったような台詞を合図に五百子らは迫る。僕は鎮めれない下半身を無視して武力行使の態勢にはいる。こんな、戦いはしたくなかった。
本当にそうか? 誘惑だけが僕の全身を支配する。僕はそれでも自制した。彼女らの踊る乳房や肉体を目のあたりにしながら。それでも自制した。
僕は若さと言うのを持て余してしまったのかもしれない。これは試練なんだ。自身に言い聞かせた。
なんとか、エロスをセーブしながら書いたと思う。まだ、続くけど(^_^;)




