第一話 プロローグ①
小説自体初めて書く未熟者ですので、大分稚拙な文章や言い回しだと思いますが、読んで頂けると大変嬉しいです。誤字・脱字等のご指摘もあれば嬉しいです。一応、週一くらいのペースで投稿出来ればと思っています。
『あなたは、死んでしまいました』
俺の目の前には無機質にも思えるメッセージがゲームの様なウィンドウに書かれていた。
「はぁ、死んじゃったかぁ〜。」
まるで他人事のように一人呟いた。
「まぁ、ぼやいてても仕様がないさ。それで?蓮はこれからどうするの?」
俺の耳にそんな言葉が聞こえて来た。
今、俺に喋りかけてきたのは俺の二人いる幼馴染の一人で《四宮 圭人》。俗に言うイケメンで、黒髪短髪、細身なのにガッシリした所謂細マッチョ、性格も爽やかな奴でクラスで人気もある奴である。
因みに、蓮とは《浅葱 蓮》、俺の事である。俺は圭人みたいにイケメンじゃないし、圭人ともう一人の幼馴染と一緒にいると『なんであの人は、一緒にいるんだろう?』とヒソヒソと言われる位だ。
俺達は今、ある一部に人気のVRMMO《リィン オブ エストリア》の超難関ダンジョンに挑んでいたんだが、最後はボスの攻撃により、PT全滅という結果に終わってしまった。
「はぁ…、折角、此処まで来たのにちょっと勿体無いよな〜。」
溜め息を吐きつつそう言うのも、このゲームは一般的なMMOと少し違う所があるからだ。
まず第一にダンジョンなど特殊なステージで死亡してしまった場合、復活する事が出来なくなると言うもの。フィールド上等は、瀕死という扱いになる為か、助かる事が出来るが、これも他のプレイヤーに助けられなければ死亡となる場合がある。
そしてこのゲーム最大の特徴とも言えるシステム。それが《転生システム》である
死亡した際、復活出来なければどうなるのか?それは新たな身体で再スタートとなる。もちろんLV1からのスタートである。
此処だけ聞けば『なにっ!?その鬼畜ゲーム‼︎』ってなると思うが、流石に救済措置というか、実はこのゲームの醍醐味でもある。
転生した際、前世のLV、取得スキル数、スキルLVに応じて割り振る事が出来る転生ボーナスがある。これにより新たにスキル取得やステータス強化が出来る。所謂《強くてニューゲーム》である。圭人が聞いてきたのもこれの事で
「いや、今日はもう遅いし明日学校が終わったら新しく作ろうと思う。色々スキル構成なんか考えたりしたいしな。」
「まぁ、そうだね。そろそろ1時になるもんね。じゃあ、また明日、おやすみ〜。」
圭人はそう言って通話を切った。
「さて、じゃあ俺もそろそろ寝るか。」
そう言いながらベッドに横になり、次のキャラメイクについてを考えつつ眠りにつく。
翌朝、朝食を済ませて学校へと向かっていると圭人と女生徒の二人が喋りながらこちらに歩いて来た。
圭人が喋りながら歩いている女生徒がもう一人の幼馴染で《片山 雫》。こいつも美少女と言っても過言じゃないだろう。サラリと流したストレートロングの黒髪を風になびかせながら、こちらに気付いたのか、手を振りながら近付いてくる。圭人には相談したりしてるから知っているけど、俺の片想いの相手でもあり、俺達のPTのヒーラーだった。
というのも当然、昨日そのキャラも死亡している為である。
「蓮く〜ん、おはよう〜。」
「蓮、おはよう。」
「ふわぁ・・・あぁ、二人共おはよう。」
俺は欠伸をしつつ二人と合流する。
「いやぁ〜、昨日は見事にやられちゃったね〜。あの行動は読めてなかったよ〜。」
と雫は頰を掻きながら苦笑していた。
「まぁ、そこは仕様がないさ。んで?圭人と雫は次は何やるかもう決まってるのか?」
俺は二人にキャラメイクについて聞いてみる。
「僕はまた、前衛職で行こうと思っているよ。」
圭人は騎士職等の近接系を得意としているからいつも通りそれで行くとの事だった。
「私は当然、回復職ね‼︎ゲームでも現実でも二人を癒してあげる♡」
「「・・・」」
俺と圭人は二人して雫に残念な物を見る目で見る。うん、何も聞こえなかった。
「あ〜、えぇと、それで?蓮はどうするの?もう決まった?」
「ち、ちょっと!酷くない⁉︎私の扱い酷くない⁉︎スルー⁉︎スルーなの⁉︎」
残念な子はとりあえず置いておこう。
「う〜ん、今回はまだ悩んでるんだ。一応スキル構成も前衛・後衛共に考えたりしてるんだけどな。」
そんな風に顎に手を当てながら言うと
「じゃあ、蓮も前衛やろうよ。前回は後衛だったんだし。」
「え〜、駄目だよ〜圭ちゃん。蓮くんはまた私と一緒に後衛やるんだから〜。」
何故か雫の中では俺が後衛をやる事が確定している。まぁ、雫に惚れている俺としてはこんな言葉でも嬉しくなってしまうんだが・・・。
とそんな事を話している内に学校に着いた。
「じゃあ、また放課後ゲーム内で待ってるよ〜。」
と圭人は自分の教室へ向かって行った。俺と雫は同じクラスの為、二人で教室へ向かう。
教室に入り、挨拶もそこそこに俺は自分の席に着いたのだが、何故かしっかり寝たにも拘らず凄く眠くて仕様がなくなり机に突っ伏して眠ってしまった。・・・筈だった。
一応念の為、R15設定しておきました。