嘘だろ…
異世界生活2日目ー
俺達は都市から少し離れた「夢喰いの森」で
Lv上げをしていた
3人ともLv10なので モンスターを倒すと同等に経験値を得られ、偏りなくLv上げができる
ここでは敵のLvが12〜18なので
レベル上げにはうってつけの場所である
Lv12の敵には1人で
Lv18には3人で 戦いを挑むようにしていた
Lv20になると新しいスキルを覚えられる
俺は MP消費10 再使用時間 5秒 炎を纏わせた拳で相手を殴る
「ファイアースマッシュ」
MP消費30 再使用時間40秒 効果時間1分 一時的に炎属性の攻撃力をアップする
「焔崩」を現時点で覚えている
この「焔崩」は100しかない俺のMPを大幅に削るのであまり使用しない
しかし強敵には「焔崩」を使用した後、
「ファイアースマッシュ」を打ち込むという
1つのパターンを形成している
そしてLv20になると
MP消費20 再使用時間60秒 触れると爆発する炎弾を5発撃つ
「爆炎弾」を取得できる
茜は MP消費40 再使用時間20秒 泡を勢いよく破裂させる 「バブルクラッシュ」
MP消費100 再使用時間100秒 水の精霊を召喚し
3分間 状態異常無効 ダメージを10%カットする
「ウォーター スピリッツ デフェンス」を覚えている
茜は《水操士》の特性からかMPが多い
今のとこ上限は400である その代わり
物理攻撃は打つも打たれるも弱い
Lv20では
MP消費300 再使用時間60分
水の精霊を召喚し 10分間の間 ひたすら敵に攻撃し続けるという 破格のスキルを覚えられる
花はMP消費5 再使用時間5秒 鱗粉で敵の防御力を
10%下げる(使えば使うほど効果はアップする)
「バタフライ パウダー」
MP消費20 再使用時間30秒 空気を鋭利な刃状に固め敵を切り裂く
「ウィンド カッター」を覚えている
Lv20では
MP消費50 再使用時間60秒 自身の 素早さの値を
全て物理攻撃力に加算する
「シフト スピード→アタック」を覚える
このスキルは風属性スキルではなく
どの属性でも覚えられるが
《風操士》では覚えられるLvが低い
元々 素早さは高いので破格のスキルとなるだろう
HP MP 物理攻撃力 魔法攻撃力 防御力 素早さ は
Lv20.30.40…と10の倍数ごとにアップする
つまり俺達が次にステータスをアップできるのは
新たなスキルを覚えられるLv20と同じである
それまで俺はMP100のままか…と思いつつも
本来ならばスキルをあまり使わず効率よくLv上げをしたいと思っているのであまり気にならない
思わぬ敵の強襲ー
Lv18が5体同時に出てきた場合は
スキルを全開放して挑まなければならない
スキルを出し惜しみしていると
死ぬ 現実世界でも異世界でも
存在しなかった者として扱われる
HP MPがごくわずかもしくは3人全員が
毒などの継続ダメージを受ける状態異常の場合は
森を出て都市に戻るー
これの繰り返しで俺達はLv上げをしていく
異世界生活6日目ー
3日ほど経っただろうか
いや、実際何日経ったかは定かではない
俺達は全員Lv20に到達した
新しいスキルを覚えると同時に
ステータスがアップする が…
アップしたステータスは変化があまり感じられないぐらい微量なものだった
俺も花も茜もステータスは1.1倍になっただけだった
「なんじゃこりゃぁぁぁ!!!!!」
3日間必死にLv上げをしてこの結果
報われない努力とはまさにこの事である
スキルは手に入った しかし
MPがあまり上昇していないので
思う存分使える…ということは無い
Lv上げをする前とあまり変わらない状態である
(まぁでもLvは上がったし…そろそろ契約者を探しに行ってもいいよな…?)
彼は悩んでいた マスターが言っていた
「契約者」それは一体誰なのか
俺達が契約を結ぶことを相手側は知っているのか…
断られることはあるのか…
契約を結べる者の条件は…
考え出すとキリがない
(まずは話すのが先だな…)
彼は話し出す
「茜 花 聞いてくれ 俺達はLv20になり新しいスキルを覚えた そろそろ都市を出て契約者を探しに行ってもいいと思う お前達はどう思う?」
茜 花は考える…花は考えているふりをしているが…
茜が口を開く
「契約者探しの旅に出るのは良いけど どこに行くの? 契約者がどこにいるか知ってるの?」
そうー その問題もある ただ闇雲に探しても見つからないだろう
この広い異世界のどこにいるのか皆目検討がついていない…
俺は口詰まった
「ソノギモン ワタシガオコタエシマショウ!」
どこかで聞いたことある声だ
明らかな機会の音それなのに感情が感じられる
不思議な声ーそれはこの世界に飛ばされた直後
話しかけてきた 「マスター」と呼ばれる
謎の人物
「マズハコノトシヲデテ、ユメクイノモリヲヌケマス ソシテキタヲメザシテクダサイ
ソコニハ…」
マスターが口を止める 「そこには…?」俺 花 茜が揃って質問する
「【騎士の港ーナイト レル】ガアリマス
ソコデ アーサー=ペンドル トイウジンブツガマッテイマス コノジンブツガ アナタタチノキネンスベキハジメノ 契約者 トナリマス」
アーサー…騎士王の名を持つ者…
どんな人物かすごく気になる
「その…アーサーなんちゃらさん…って男の人?女の人?」花が質問する
「ワタシニハワカリマセン」
「ワタシハタダノデンタツガカリユエソノシツモンニハコタエラレマセン」
伝達係…か
確かにそうだータイミングよく現れては
次の目的を教えてくれる
それはまるでゲームのアシスト係そのものだ
「とにかく その【騎士の港】にいけばいいんだろう?」
「迷うことはない 行くぞ!」
こうして俺達は【騎士の港】に向け
新たな旅を始めるのだった…
ここは【騎士の港】
「デンタツシテキマシタ アシタニハココニクルデショウ」
「あぁ 了解だ 伝達ご苦労…マスター」
「クレグレモ コロサナイレベルデ
オネガイシマス」
「分かってるよ…契約者として
相応の対応を見せるだけだ」
騎士王…アーサーの名を持つ騎士は
不気味な笑をうかべながら
拓也たち一行を待っていた…
「さぁて楽しくなりそうだ!」