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プロローグ

Hell my friend

君に恋した夏があったね…

短くて 気まぐれな夏だった‥


Destiny

君はとっくに知っていたよね…

戻れない安らぎもあることを…


あれから、幾つか夏を超えたはずだけど、

ユーミンの歌は、未だに、あの時の痛みを思い出させる。


友達のままだったら良かったの?


ううん。

だって私は、もう、好きになっていた。

不器用な私に、隠し通すことなど、きっとできなかった。

だから、あの時、あなたに打ち明けたのは、必然…


そう。

言わないよりは、ずっと、マシだったはず。

けれど、その勇気の報酬は、

あなたとの別れだった。

次の約束もないままの・・・


あなたは今、何をしていますか?

この星は、あなたのいる空でも輝いていますか?



「おーい、ゆい

 そろそろ、そっちを終わらせて、

 早く帰ろうや」


私を現実に引き戻す、その声は、店長のマナブ。

とは言え、彼は私と同い年。幼馴染だった。


「はーい。

 今、行きまーす」


私は元気に答えた後、

慌てて、残っていたタオルを干し竿から外して畳み、

プラスチック製の洗濯カゴの中に入れた。

そして屋内に入った後、古ぶるしい木製の扉を閉め、鍵をした。


この物干し場は私のお気に入り。

大した技量もない未熟な私を幼馴染という昔のよしみで

雇ってくれたマナブのお陰でこの美容室に勤務が決まったのだけど、

何より、この美容室を転勤先に選んだのは、

この建物の造りが気に入ったからといっても過言ではない。


だって、ここは、あそこを思い出させるから。

彼と過ごした短い夏。


あなたは今、何をしていますか?

私は少しだけ、大人になって

そして少しだけ、強くなったよ・・・


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