ダンジョンに行こう。魔王学校 1年目(5月6日。午前中)
「おはようございます」
と今日もマキが起こしに来てくれた。
薫はちょっと眠いなとも思いながら二度寝しようとまた目をつぶると、
「「おはよう」」
と『おはよう』が二つ聞こえてきた。
薫は不思議に思い、声がした右側と左側を見ると、アイとナナがいた。
寝る時は、ナナだけだったのに。
すると、アイが話しかけてきて、
「夜中に寂しくなっちゃったから、来ちゃったのよ」
と目をこすりながら言ったのだった。
「じゃあ、今度からは3人で寝ましょ」
「そうしましょう」
とアイとナナが勝手に3人で寝ることを決めたのだった。
そして、マキが作った朝食を食べて、3人で学校に向かった。
朝礼が始まり、すぐに席替えがあり、窓側から薫、アイ、ナナの順番になったのだった。
2時限目歴史の時間。
アイは暇になったのか、
『どこかいかない?』
と書いた紙を投げてきた。
薫は、
『今、授業中だろ』
と紙に書いてアイに投げた。
アイから、
『そうだ、今からダンジョンに行こう。決定よ』
とかえってきた。
それに対して薫が『いかない』って紙に書いている時に、アイが、
「先生。
早退します。
ナナも来て」
と言いながら、薫の制服の襟をつかみ教室の外に出て行ったのだった。
教室から廊下に出て、薫、アイ、ナナの3人がそろった。
そして、アイが家の方に向かって歩き出す。
薫はアイが言い出したらどうしようもない性格だと知っているので、もう教室から出てきてしまった以上、諦めることにした。
アイは楽しそうに先頭を歩くのだった。
家に戻った時、マキは驚いていたが、すぐにキッチンに行き、紅茶を作ってリビングに持ってきた。
アイが話し出す。
「ナナ。
私と薫はダンジョンに行ってくるわ。
この家をちゃんと守ってね。
ちなみにいつ帰ってくるかわからないから」
「わかりました」
「アイ。
ダンジョンに行くってどういうことだよ?」
「薫は知らないの?
アイテムが拾える洞窟があることを」
「いや、知ってるけど……」
「薫は、戦闘中に剣をポキポキ折っていくじゃない。
だから薫にあう剣がダンジョンに落ちてるかもしれないから拾いに行くのよ」
「拾いに行くって、拾えんならもう誰かがとってるだろ?」
「そのダンジョンはねぇ〜、地下に行けば行くほど出るモンスターが強くなって行って行くの。
そして地下に行けば行くほど強いアイテムが拾えるってことになってるわ。
地下10階までくらいは攻略終わってるけど、その先がまだだから2人で攻略するわよ」
「別に、アイは行かなくていいんじゃないか?危ないし」
「いや、行くわ。
今まで私の力が足りなかったばかりに後悔したことが何回もあったわ。
例えば、黒い羽の相手の時や、反乱軍と戦った時は薫を助けに行けなかった時。
だから、ずっとレベルアップしたいって考えてたのよ。
それで、魔王城が管理してるダンジョンを思い出したわけ。
私のレベルアップができるし、薫の武器も手に入るかもしれないし、一石二鳥じゃない?」
危険そうなダンジョンにもかかわらずアイはピクニックにでも行くような表情で言っていた。
まぁ、危なくなったら引き返せばいいかと薫は思い、
「わかったよ」
と答えたのだった。




