77/97
マキの心境。魔王学校 1年目(4月27日。13時ちょっと前)
「じゃあ、マキ。
会議に行ってくるわ。
しっかりと待っているのよ」
とアイが言って、ドアを開け、薫と一緒に部屋を出て行った。
マキは薫とアイが部屋からいなくなり、ホッとした。
そして、部屋の角隅に座った。イスに座らずに。
マキは、どうしてこうなってしまったのだろうと考える。
こうなってしまったというのは、薫の使い魔になってしまったことだ。
マキはまだ薫が元勇者だということをまだ知らない。
だが、知っていたとしても同じように考えただろう。
《人間という下等生物の使い魔になるというのはものすごい屈辱》だと。
だが、マキには、この状況を打開するすべはない。
しかも、薫が使い魔の契約に使った魔法は強力なものだ。
薫が死ぬまで続くし、譲渡も可能なものだった。
そう考えると、普通に考えて、一生、奴隷待遇の使い魔のままだろう。
しかも、さっき薫は戦争に出るという話をしていた。
薫の生きた盾に使われて死ぬかもしれない。
もしくは、ずっとアイに理不尽ないじめを受け続けることになるだろう。
そう考えて行くと、マキは、地獄しか待っていないと思ったのだった。




