表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/97

着替え。魔王学校 1年目(4月26日。昼ごろ)

薫とアイは、雑談をしながら魔王城についた。

薫は、前回一緒に馬車に乗った時よりも、話が弾んでよかったと思った。物理的な距離も近づいたような気もするが……。


魔王城に着く前の馬車の中。

「薫。

魔王城に着く前に、変身の魔法をかけてあげるわ」

「頼む」

アイが、変身の魔法を使った。

薫の見た目がみるみる変わっていく。

身長も高くなり、狼男の様相になった。

「あら、体が大きくなって、服がちぎれてしまったわね」

と、アイが自分で変身させておいて、笑いながら、楽しそうに言う。

「おまえ、わかっててやっただろう……」

「そうに決まってるじゃない。

ちゃんと、服も用意しておいてあげたんだから感謝しなさい。

その服に合うように変身させてあげたんんだからね」

と、アイは座ったまま、差し指を立てて、言ってきた。

アイが用意していてくれた服は燕尾服だった。


馬車から、薫とアイはおり、アイは、

「これから私の部屋に行くのよ」

と言って、薫の手を引っ張って行ったのであった。


アイの部屋は広かった。

部屋の中で何室か分かれているらしく、薫はそのうちの一室に案内されて、イスに座って待っているように言われた。

そして、アイは、

「これから着替えてくるわ。

期待して待ってなさいよ」

と言って、違う部屋に行った。


薫は落ち着かなかった。

女の子の部屋にいるというのもある。

が、それ以上に、薫が勇者だった時に、攻め込んだ場所にいる。

自分をよく思っていない人が、大勢いるはずの場所だ。

だが、薫はここにきてしまった以上、この状況を受け入れるしかないと思った。

そう考えてながら、アイが好意を持ってくれている理由を考えることにした。

アイは、元魔王が死んでいないことを知っていた。

それに、いろんな事情を薫以上に知っているようだ。

すると、アイと同じ事情や情報を持っている者は、アイと同じように薫に好意を持ってくれるかもしれない……。

でも、アイと同じような者が一体どのくらいいるのだろうか……。


薫があれこれ考えていると、アイが着替えて終わって部屋に入ってきた。

青紫色のワンピースのドレス。

胸元も少し空いており、ダイヤなどの宝石が付いたネックレスを身につけている。

薫は、とても綺麗だと思った。

「薫。

見とれてないで、思ったことを口にしていいのよ」

「うっ」

薫は、綺麗だと気持ちを読まれていると思い、言葉にできない。

もちろん、綺麗と言うのが恥ずかしいのもある。

だが、アイは、薫の気持ちをちゃんと読んでいなかったらしい。

「薫は、今、私を抱きたいって思ったのでしょ」

と、アイは言ったのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ