放課後の相手。魔王学校 1年目(4月25日。昼食)
薫が、アイとナナどうするか結論を出してない結果、昼食は一緒に食べた。
昨日までは、薫は、一回も箸を持たずに、食べていたが、今日は違った。
ちゃんと箸を持ってきたのであった。
が、その薫の作戦は、無残に砕け散った。
薫が、
「今日は、ちゃんと箸を持ってきたから、自分で食べ物をつかんで食べるよ」
と、言ったら、
アイから、
「えっ。
つかむって何を?
食べるって何を?
私ってこと?
しょうがない、私を食べなさい」
と聞いてきたのであった。
ナナも悪ノリして、
「薫ぅ〜。
食べるなら、私を食べて……」
と、言ってくる。
それに対して、薫は、
「違うからなっ。
食べるのは、食べ物だからな」
「それは、ダメよ。
私が、食べさせてあげるから」
と、アイが言って、薫が箸を持っている手に、手を添えてくる。
ナナは、そのすきにと、
「薫、あぁ〜〜〜ん」
と食べさせてくる。
薫は、自分で食べるのを諦めたのであった。
昼食終盤、放課後、薫が誰と過ごすのかという話になった。
薫は、考えていなかった。
薫が、考えるような表情を作り、黙っていると、アイが話出した。
「明日、薫と私は、パーティに行くことになっているから、放課後は準備のために、私と過ごすわ」
薫は、筋が通っていると思い、ナナに、向かって、
「実は、そうなんだ」
と、アイの話に乗っかった。
ナナは、無言のまま、下を向き悲しそうな顔をしていた。
そこに、ユイが止めを刺す。
「薫は、結局私を選んだってわけね」
その言葉をナナが聞いて泣き出してしまったのだった。




