ユイからの手紙。魔王学校 1年目(4月23日。夜)
薫は剣を購入して、自分の寮の部屋に戻った。
そして、購入してきた剣の手入れをしている。
薫は剣を持ち、時々振るが、どこか不満そうな表情を浮かべている。
ちなみにアイは、薫の部屋で寝るって言ってだだをこねた。
終いには、
「もし、今日、一緒に寝るのであれば、1年分の借金をチャラにしてあげるわ」
と、言い出した。
薫にとっては、とても魅力的な提案だと思ったが、そんなんじゃいけないと思い、アイに自分の部屋へ帰ってもらった。
薫はしばらくのんびりし、シャワーを浴びて出てくると、窓のあたりで、
『コツン、コツン』
と、音がした。
薫が近づくとフクロウがいた。使い魔か?
結界を窓のまわりにも張っているにもかかわらず、窓にさわれるほど強い強い使い魔だと思った。
警戒して、様子を調べたが、特に害はなさそうなので薫は窓を開けた。
そしたら、フクロウは部屋の中に手紙を置いて、すぐに飛び、どこかへいなくなった。
薫が、手紙を開いて読んでみると、
『ちょっと天界のお仕事で呼ばれていて、しばらく魔王学校に行くことができません。
また、連絡します』
という内容だった。
手紙には、詳しい理由が書かれておらず、いつ魔王学校に戻ってくるか書いていないので、薫にとって不満の残る手紙だった。
だが、逆に、どんな理由でいつ帰ってこれるかかけないほど大事が起きているのではないかと、薫はユイのことが心配になるのであった。




