アイを取り戻す。魔王学校 1年目(4月22日。19時ごろ)
「よくこれたわね」
と、黒い羽を持つ相手が薫に聞く。
「もうちょっと早くこようと思っていたにもかかわらず、遅くなってごめんな。アイ」
アイは、誰も助けに来ないと思っていたのだろうか、驚いた表情になっている。
薫は、もう大丈夫だと、アイに微笑みかけていると、黒い狼型の使い魔が薫にものすごい勢いで飛びかかってきた。
薫は、狼型の使い魔に向けて、聖剣を突き出す。
狼型の使い魔はそのまま聖剣を気にせず、薫に向かって飛びかかってくる。
おそらく、狼型の使い魔は、今まで剣にぶつかったても、傷ついたことはなかったのだろう。
だが、今回は傷がつかないということはなかった。
薫が使っているのは聖剣なのだ。
聖剣に突っ込んで行った狼型の使い魔は、『すぅーーー』っと切れ、真っ二つとなった。
「次は、あんたがやるのかい?」
と、薫は、黒い羽を持つ相手に向かって言った。
「私がせっかく作った罠も簡単に壊して、使い魔も一瞬で殺すほどのあなたとは戦う気はしないわ。
アイも返してあげる。
また、どこかで会ったらよろしくね」
「いや。
もう会いたくないなっ」
と、薫は言いながら、黒い羽を持つ相手に斬りかかる。
すると、黒い羽を持つ相手は、テレポートをして間合いを取る。
「もう、せっかちさんねぇ〜」
「いったいお前は誰なんだ?
何が目的なんだ?」
「そうね、全部秘密っていうのはかわいそうだから、ちょっとだけなら教えてあげようかな。
私は、悪魔だった天使といったいところかな。
その他は、内緒。
ミステリアスなおねいさんは嫌い?」
「嫌いだね」
と薫が答えると、黒い羽を持つ相手は、事前に用意していた逃走用の空間をつなげるゲートに入り、消えてった。




