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アキとフミを回復させる。魔王学校 1年目(4月22日。13時ごろ)
薫は、まずアキとフミに近づき回復魔法を使い傷を治した。
アキは、
「すまない。
アイをさらわれてしまって……」
と、悔しそうに、横を向きながら話した。
フミが、
「黒い羽を持つ相手から紙をねげられていたが、どのようなことになっているのだ?」
と、心配そうに言う。
「実は、今日中に、地図のある場所に来いと、言われまして……」
「では、俺も行こうと言いたいが、今の体では回復魔法で急に傷を治した副作用で体が動かない。
それに、きっと俺が万全な状態であっても足手まといになるのだろう?
……、……。
薫、頼む。
アイを助けてくれ……」
薫は考えた。
ユイのこともある。
馬車でゆっくりここまで来たこともあり、急いで戻ったとして、30分位で学校に着くだろう。
一旦、学校に戻って、黒い羽を持つ相手のとこに行ったとしても、16時位には着く。
それであれば、問題ないだろう。
そして、薫はアキに向かって、力強く、
「わかった」
と、アキに答えたのであった。




