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元勇者は罠を破る。魔王学校 1年目(4月17日。0時ごろの続き)
「薫でも失敗することがあるんだね」
ユイは、楽しそうに話す。
薫が考えた行動によって単純な罠に引っかかってしまったことを、ユイは失敗だと言ってるのだった。
確かに、薫の注意不足だったことは、否めない。
薫は、自分でも恥ずかしくて、言い訳をする気にもなれない。本当に、単純で、稚拙な罠だ。
だが、こん単純な罠で炎の鳥を捕まえる気だったのだろうか?と、考えてしまう。
むしろ、あえて稚拙な罠を作っておいて、別の本命の罠が仕掛けられているのでは?と、考えてしまう。
薫が保健室にいる時に、炎の鳥に浴びせてたレベルの低い魔法を思い出す。
(あんな奴らに、もっと高いレベルの罠を求めるのは、酷か?)
そんな風に薫は考えながら、罠を破った。
ユイは薫が何をしたのだかわからないうちに、罠は破られていた。
罠を仕掛けた学生たちだろうか、罠の異変に気付き、学生達が薫達の方に向かってくる気配を感じる。
まだ、夜中で暗いので、相手の顔はわからない。おそらく、相手からもわからないだろう。
薫は、ユイの手をつかみ、テレポートをした。




