元勇者は体の回復に専念する。魔王学校 1年目(4月16日)
薫とフミとユイは、炎の鳥の行動を見ていた。
炎の鳥は、校舎に突っ込んで行き、校舎の中に入り姿が見えなくなった。
たが、すぐにでてきて、また飛び、どこかに消えて行った。
「私はすぐに炎の鳥が突っ込んで行った方に向かう。
薫君もこれるか?一緒にきてくれるとありがたいのだ……」
フミ言った。
薫は、行きたいと思ったが、まだ体が動かない。
「すみません。
まだ戦えるほど体が回復できていないのでここに残ります」
「そうか。
普通であれば、死んでもおかしくないような攻撃を受けていたのだからしかたがない。
ゆっくり休んで早く体を治すといい。
くれぐれもユイとエッチなことはするなよ」
と、フミは笑いながら、冗談ぽく言う。さっき注意をしたから大丈夫と思っているのだろう。
そして、フミはすぐに保健室から出て行った。
保健室でユイと再び2人きりになる。
するとユイは、薫の上に、再び乗ってきた。
薫はビックリする。
「なっ、何で上に乗ってくるんだ。
先ほどまでの話を聞いてなかったのか?」
「はい。
ちゃんと聞いてましたが………。
何かおかしいことをしているでしょうか?」
「フミさんは、エッチなことはするなと言ってただろ?
それなのに、フナさんがいなくなったとたんに俺の上に乗ってくるとは……」
「いえ。
この行動は、決っしてエッチなことをしているわけではないのです」
「えっ?
それでは、俺の上に乗ってくるということに、いったいどんな意味が……?」
「フミさんは、薫に『早く体を治すように』と言ってました。
だから、薫の回復を少しでも早めるために上に乗っているのです。
ほら、薫の体はだんだんあたたかくなってきましたし、血液のめぐりが良くなってきた気がしますよ」
ユイは、満足そうに薫の上に乗っているのであった。




