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魔王をたおした真面目な勇者は、グレました‼︎  作者:
2章:元勇者、魔王学校での生活が始まる。
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元勇者は、ユイにおそわれる。魔王学校 1年目(4月16日)

薫は、自分で回復魔法を使い、だいぶ体が楽になった。

今回、ユイが、看病してしてくれたことによって、ようやくユイのありがたみがわかった(失礼な気がするが……)

聞くところによると、裏山から運んできてくれたのは、ユイだったらしい(そりゃそうだ、誰かに体を触られ元勇者とバレたら、寝てる間にあの世行きだ。ちゃんと俺のことを考えてくれているんだなっ)。

そして、薫が保健室のベットで寝ている間、ずっとそばにいてくれたらしい(学校の生徒から万が一襲われた時のために見張っててくれたんだなっ。いつ起きるかわからないのに。こんなに衰弱してまで。ありがたい、ありがたい)。

そう思いながら、考えていると、今回ほどユイが役に立ったことはないように思えてくる。

そういえば、ユイはいったい何ができるんだ?

ちゃんと魔法を使ったとこを、見たことがない気がする…………。

ちょっと聞いてみよう。最初、会った時、『ユイは薫の使い魔になりにきた』って言ってたじゃないか?

使い魔は、ご主人の役に立つことをするものだろ?

「ユイ。

本当にありがとう。

今回のことで思ったのだけど、今後の万が一のために、ユイができることを知りたいんだけど……」

『今後の万が一のために』を強調して、薫は話した。真剣な眼差しで。やや勇者顏で……。

それに対して、ユイは恥ずかしそうに、モジモジしてきた。

薫は、

(んっ。

この場面で、恥ずかしがる必要もなければ、モジモジする必要もないんだよ)

と、思った。

だが、ユイは、薫の想像を超えたことを言い出す。

「私ができることは……、……。

(目を潤ませ、薫を上目づかいでのぞきこんでくる)

……、……。……、……。

体でご奉仕することです」

ユイは、手で顔を隠す。

そして、ユイは、続けて話す。

「さすがはご主人様。

怪我をして起きた途端に、私の体を求めるとは……。

すでのベットの上だから問題ないということですね」

薫は、ビックリする。

真剣な場面を作り上げたはずなのに……。

ユイが、ここまで変態さんな話を持ち出すなんて……。

どうしたものかと薫が考えていると……。

ユイは、薫の上に乗ってきた。

薫は、怪我は自分で行った回復魔法によって治っているが、急に治した副作用によって、ユイをどかすほどの体に力が入らない。

このままでは、ユイが、勘違いしたまま、薫にエッチなことをしちゃう。

ピンチだ。

ユイは徐々に制服を脱ぎ出した。

薫は、大きな声を出す選択肢も考えたが、ダメだ。口に力が入らない。

ユイが下着姿になり、顔を近づけてきた。

ユイの息が、薫にあたる。

ユイの香りがわかる。とてもいい匂いだ。

ユイの顔は、赤くなっている(可愛い)。

ユイが、薫を見つめてくる。

そして、目をつぶる。

(もうダメだ)と薫が思った瞬間。

ドアが開く音がした。

一体誰だ?

でも、ここまできてしまったら、ユイとの行為が続こうが、誰かが来ようが、どっちとも薫にとってバッドエンドでしかない(いや、どちらかといえば、ユイとの行為が続いた方がいいのか……?)。

だが、すでに人は来ている。誰だ?

「薫君とユイちゃんはそういう関係だったのか?

お楽しみ中にすまないね」

薫は、声で分かった。

2年生の生徒会副会長のフミさんだ。

(もう終わった。不純異性行為の校則違反で、何か罰則でもあるのだろうか?)

薫は、ゆうつな気持ちになった。


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