空母
戦艦は、すでに古のものとなっていた。
だが、戦艦より航空、航空より宇宙と戦闘域が3次元に、さらに広範囲に拡張していった。
すると海は海で、制海権をかけて単独で行う必要がある。
空や宇宙で戦闘が行われている間、海は海での戦いが行われることになる。
ならば、大砲巨砲主義が再び流行るのは、必然のことであろう。
その一方で、それらを守る船も、当然に存在する。
「あ、副委員長」
海軍物資監視委員会副委員長、軍艦製造部会の「膨湖」建造部部長の片市大治郎海軍大佐は、現在艤装員長として、建造から装備までを見守っている。
今は進水式を終え、艤装を行っているところだ。
「どうだ、状況は」
油の手を、首に巻いているタオルで拭って、敬礼をしてから報告をする。
「はい、空母と言うこともあって、装備品が少ないですが、それでもかなりの量ありますからね。現在、最終段階にあります」
「ふむ、では期日通りに艤装は完了するな」
「はい、予定通りに終わらせてみせます」
その工員は力強く返事をした。
「なら、大丈夫だな。任せたぞ」
「はい、お任せください」
そして、再び工事へ戻った。
航空空母台湾型の4番艦として建造が進んだ膨湖は、それから1か月ほどで竣工した。