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Reincarnation saga(リーンカーネーション・サーガ)  作者: 八咫烏
◇青年期編~第三章~◇
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終戦協定

少し短めですが……どうぞ

リーンは、『クー・シー公国』の国境手前で、雷鳳騎士団との合流を果す事ができた。

僕は、能力の使い過ぎによる倦怠感で、立っていられない状態だったので、

飛竜アスランにそっと、地面に置いて貰った。

片膝を付いた形で、それ以上、動けない……


すると、ティファが勢い良く体ごとぶつかる様に飛びついて来た。

僕は何とか受け止めるが、支えきれず、仰向けに倒れ、強かに後頭部をぶつけて、

思わず呻く。

それに気づかないのかティファは泣きながら僕の胸に顔を埋めて、

嗚咽を漏らしながら泣きじゃくっていた……

僕は、後頭部の痛みを忘れて、ティファに声を掛ける。


「心配かけてごめん。

みんなも無事で良かった……」


「リーンさん、本当に心配したんですよ!

もう!無茶ばっかりして!」


そんな僕らを他のみんなが迎える。


「リーン!やっぱり無事だったか?!」


「大将はしぶといですな!!

ガハハハハ!!」


「殿下!ご無事で何よりです」


キース、ロドリゲス、ベアトリスが三者三様に向けてくれた。


「ああ……みんな、ただいま。

心配かけたね」


◇◇◇◇◇


 その後、やはり僕はまともに歩く事も出来なかったので、馬車での移動となった。

馬車は、物資や負傷兵を運ぶ為に用意していたものだ。


 僕は流石に団長と言う事もあり一人で一台を独占していた。

只でさえ、負傷兵が多く、馬車が不足がちなのに一人で独占するのは悪いと主張したが、

副官のベアトリスにそれを有無を言わさずに却下された。


 ベアトリス曰く、「部下への示しがつかない」との事……

言われて見れば、そうかと思い、一人で大人しくしている事にした。

もっとも、衛生兵を下げてティファが強引に同乗して看護に当っていたので、2人ではあったが……


 そして、本隊と合流すると、今度は、ユーリが僕の乗っている馬車に飛び込んできた。

これも盛大に泣いてしがみつかれたので、

ティファと同じく、宥めるのに一苦労だったのは言うまでも無い……


こうして、連合軍は、『クー・シー公国』の国境線まで、無事撤退する事が出来たのであった。


◇◇◇◇◇


 バラスチカ攻略戦……

バラスチカを占領は出来なかったが、

結果としては8カ国同盟の連合軍の勝利と言えるだろう。

最も作戦途中で、8カ国は7カ国となってしまったが……


 何にしてもウルク帝国の要、『工業都市バラスチカ』は再起不能なまでに壊滅しただけでは無く、

その地域は放射能に汚染された。


 この放射能の概念はこの世界には無かった為、未知の毒素として扱われた。

リーンは異世界人からの情報として、それを内外に発表し、

少なくとも30年はバラスチカ近辺への人の立ち入りを制限するよう促したのだが……


ウルク帝国はその注意勧告を無視して、調査隊を派遣する。

この調査隊は身を持ってその危険性を世に知らしめる事になるとは知らずに……


 そして、このバラスチカ戦で、

ウルク帝国は三分の一の兵と爆撃機を初めとした異世界人からの技術を消失した。

爆撃機やその他の異世界に由来した技術の殆どは黒竜騎士団が秘匿していた為、

現在残っているもの以外利用不可能だ。

今後暫く使用出来たとしても、生産する事は不可能だろう……

 

 この状況をもってウルク帝国皇帝、アドリアン・アレキサンドルⅥ世は、

7カ国同盟からの終戦協定に応じる。


だが、この終戦協定は実質的な勝利者である7カ国同盟にかなり有利な条件で締結される事となる。

ウルク帝国は、他国への不可侵を確約させられた上に不平等な税率での取引を課せられ、

多額の賠償金を要求された。

それでも、ウルク帝国は、これ以上の戦闘続行は、不可能な為、渋々この条件を飲む事になる。


 だが、それより酷い条件を課せられたのは、戦闘後半で離反した『コートラッド王国』だった。

コーラッド王国は、実質上解体され、首謀者の王族は処刑され、7カ国による合同統治となったからだ。


それにしてもコートラッド王国が何故離反したのか……

その理由は、この国の立地が内陸の盆地にあり、

有効な街道などがウルク帝国を経由するものだった事が大きい。


 他の国々との交易は新たに山々を切り開いて作るしかなかったが、

国力自体乏しいコートラッド王国は、新たな街道を整備する事が出来なかった。

したがって、ウルク帝国との交易が無ければ国の存続も危ぶまれ。

ウルク帝国の誘いに乗って、反乱を起こしたのだった。

結果として、国は無くなってしまったが……


そして……リーンには新たな難題が持ち上がっていた……

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