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Reincarnation saga(リーンカーネーション・サーガ)  作者: 八咫烏
◇青年期編~第三章~◇
53/66

バラスチカ攻略戦~その二~

作者の八咫烏です。

リアルが忙しく、執筆に時間をさけません…

今回は短めですが、投稿します。

それでは、どうぞ。

 バラスチカ領の領館で、黒竜騎士団団長のダニエル・ノートンを中心に、

他の3騎士団と副官を含めた軍事会議が行われていた。

8カ国の連合軍への対策会議だ。


斥候部隊の部隊長が、会議室に並ぶ12名からの将軍、副官を前に緊張気味に報告した。


「はっ!目下、敵連合軍は、『クー・シー公国』国境付近に集結中です。

その数、8万!

各国の主要兵力の殆どが集まっていると思われます!」


「ふむ…その中に『リーン・ウォーター・ペンドラゴン』の姿は確認出来たか?」


「はっ!敵の総指揮官として、指揮を取っているのを確認しております!」


「間違いないのだな?以前、カストラートでは影武者が代役を務めていたようだが?」


「はっ!以前は仮面を被り人相が不確定したが、今回、全軍を前に素顔をさらしております!

間違いございません!」


「そうか……」


将軍の一人が、私の執拗な確認に眉根を寄せて、質問する。

「参謀長閣下…何か気になる事でも?」


「…いや、リーンには何度も苦渋を舐めさせられているのでな…

ヤツの所在を確実に把握しておきたかっただけだ…」


その後、部隊長の報告が終わり、対策会議が再開された。


私は、将軍の一人に増援の確認を行う…

「……増援6万の兵は明日には着くのだな?」


「はっ!行軍は滞り無く進んでおります。

予定どおり、明日到着いたします!」


「…そうか…黒竜騎士団の2万と増援の兵を合わせて、兵数的には同等か…

だが、ここの守りに半数は最低でも残したい所ではある…

仕方が無い…黒竜騎士団からは機械化部隊を中心に半数を出そう…

それに合わせて、爆撃機を戦線に導入する!」


「おおおぉ……」

会議室に感嘆の声が漏れる。


「この戦いが今後の情勢を左右する分岐点となることは間違いない!

全軍、8カ国同盟と雌雄を決する重要な戦いと心得よ!」


「「「はっ!ウルク帝国の為に!」」」

会議室の全員が起立し、敬礼する。


◇◇◇◇◇


 ティファ・エヴァンスは、定時の偵察の為、

丘陵地帯の丘の上で『魔法レーダー』を張って偵察を行っていた…

隣にはキースが『遠見』の魔法でバラスチカを観察している…

この定期偵察は、風属性魔法が使える者と光属性魔法が使える者が組んで行われていた…

リーンが忙しくなければ、付き添ってくれる時もあるが、大体は、他の団員とのペアになる…

任務なので、不満がある訳では無いが、少し残念なのも確かだ…


そんな私の心情を知ってか知らずかキースが声を掛けてくる。

「…うーん、これと言った動きは見られないな…

…ティファ、そっちはどうだ?」


私は、気が散って集中していなかったので、キースの問いかけに慌てて、

『魔法レーダー』を展開し直す…

「ちょ…ちょっとまって!」


私は、レーダーを最大まで展開して集中する…

すると、レーダーのギリギリ感知できる範囲…10km地点…バラスチカとは違う方角で、

何かの動きを察知した。

バラスチカがこの丘陵から東に10km…

そして、今、感知してたのが、北に10km地点…

ウルク帝国の首都『クリムゾン』の方角だ。

私は、暫く、その方向にレーダーを注視する…

どんどん反応する物体…恐らく人員が増えてくるのが分かる。

「…キース…あっち!

北を見てみて!

何か感じるわ!」


キースは、少し真剣な顔になり、北の方角を見直す…

「……く、ありゃ、敵の増援だな…予想していたより多そうだ…

詳しい人数まで把握するのは、もう少し近づいてこないと分からないが…

ティファ!取りあえず報告だ!」


キースはそういうなり、丘を駆け下りていく…

相変わらずせっかちだ。

私は、慌てて後を追った。


「ちょ!ちょと!まってよキース!」


◇◇◇◇◇


 リーンは天幕で、バラスチカの都市内構造が詳細に描かれた地図を見ながら、

破壊工作を行う場所を一人検討していた…

この構造地図は、概観を光属性魔法の兵に作製させ、内部の詳細は、

間者から報告をさせていた。


バラスチカが如何に帝国の要所で、黒竜騎士団の本拠地とは言え、

異世界人や黒竜騎士団、いやウルク帝国自体に不満を持っているものは以外と多い。

それが帝国国民であってもだ。


帝国国民で在るからこその格差社会での不遇はかなりなものだった。

その為、精鋭しかいないはずのバラスチカであっても、間者となるものは多かった。


今回もそれを利用し、複数の間者を獲得していた…


不意に天幕の入り口の布が跳ね上げられ、キースが走りこんできた。


「リーン!敵の増援だ!

10km北に敵影を確認した!」


僕は、ゆっくりキースに目を向け頷く。


「うん…予定通りだね…」


そういった後、ティファが天幕に息を切らせて走りこんできた。


「ちょっと!……キース早いって!私を置いてかないでよね!」


「わりぃー、わりぃー」


ティファが恨めしそうにキースを睨むが、キースは一様に気にした風も無く、軽く返す。


「…ティファ、お疲れ様」


「リーンさん、キースが言ったと思うけど…」


「ああ…増援だってね…予定通りって所かな…

これで、バラスチカからどれほど兵が出るかだね…

出来るだけ出てくれればこっちが動きやすくなるんだが…」


「ああ…でも俺達斥候部隊なら何人いようが、全部煙に巻いてやるよ!」


「ちょと!キース油断しすぎなんじゃない?

幾ら新しい魔法を覚えたからって!」


「ティファの言うとおりだ、キース。

キース達の新しい魔法も完璧じゃない…

特に広範囲に及ぶ攻撃を受けたら只じゃすまないよ」


「そうだった、そうだった、そこの所は気をつけないとな!」


「まぁ、僕らの行動は敵部隊が、バラスチカを十分離れてからだからね…

取りあえず、ティファ、ユーリ達に敵の増援が来た事を知らせてくれ」


「分かったわ!」


「ユーリ達には新兵器と対策を伝えてあるから上手くやってくれるだろう…

僕らは、僕らの仕事をするよ!」


「「了解!」」


二人は、了承し、伝達に向かった。


いよいよ、ウルク帝国との決戦が近づいていた…

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