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Reincarnation saga(リーンカーネーション・サーガ)  作者: 八咫烏
◇青年期編~第二章~◇
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8カ国会議

ユーリ・アルベールは、カーテンの隙間から差込む朝日の光で目を覚ました…

ここは、エギル宮のリーンにあてがわれた客室だ。

私は、昨夜の事を思い出し、思わず顔が綻ぶ…

10年来の想いが叶い、やっとリーンと両思いになれたのだ。

リーンも私の事が好きだとは思っていたが、言葉に出してもらえた事が堪らなく嬉しかった。

そのまま…一気に……とは行かなかった…

『わ…私としては構わなかったんだけど…』

私は一人枕を抱えて悶える。


リーンとしては、色々とケジメをつけてからとの話だった。

『もう!リーンたら変なところで律儀なんだから!何時もは突っ走りぎみなくせに!』

そのリーンはと言うと…隣で添い寝をして貰った…

『せっかく久しぶりに二人きりなんだからこれぐらいは良いよね♪』

なんだが、久しぶりにリーンに甘える事ができ、今はとっても幸せな気分だ。

隣のリーンの寝顔を見て、何だか、いとおしくなって、胸に抱き、顔を摺り寄せる。

少し、リーンが苦しそうだったが気にしない!


 するとリーンも寝ぼけながら起き出した。

「…うぅ…ユーリおはよう…」

私は、上目づかいにリーンを見て、挨拶を返した。

「おはよう!リーン!」


ちなみに私の格好は、リーンから借りたシャツ一枚に下着といった格好だ。

この部屋に、リーンの着替えしかなかったので、それを拝借した。

リーンの方は、夜着があったので今はそれを着ていた…

 

リーンは照れているのか、挨拶をした後、顔を背ける…

「ユーリ…その体勢はちょっと…」


私は自分の格好を確認する…

リーンから見ると肌蹴たシャツから胸元が覗ける格好だ。

「…なーに?リーン別に見てもいいのよ?」


リーンは顔を真っ赤にして呟く

「ぼ…僕だって男だ…そんな無防備な格好をされて抱きつかれると…どうなるかわからないよ!」


「…べ、別に私はいいのよ?」

私も少し照れながらちょっと意地悪を言ってみた。


「ユーリが良くても、僕が良くないの!」

リーンはベットから起き上がり、洗面所に向かった。


私はちょっと『からかい過ぎたかな』と思い、舌をだす…


◇◇◇◇◇


 早朝、カストラートの来賓者に指定してある屋敷に部下ベアトリスにお願いして

馬車でユーリを送ってもらった。

ベアトリスは何も聞かずに馬車と御者を用意してくれた…

出来た部下で助かる…

ユーリは渋っていたが、ユーリは今来賓者扱いだ、

養父のエイナスは今後の各国との協議も兼ねて一週間ほど滞在予定だった。

その間、ユーリには休暇を与えている…

ここは、一度、養父の下へ戻って貰わないと…

公私の区別はしておかないと今後の軍務に響きかねない…

各国の要人の一部は今日にも帰国予定なのだから、国境までの警備体勢の確認などが必要だった。


明日から、8カ国の戦略会議が始まる…

その前に、警備体制の打ち合わせを終えなければならなかった…

僕は、急いで、リオン達、警備担当詰め所へ向かうのだった…


◇◇◇◇◇


 8カ国会議…会議は各国から特使1名と補佐1、2名が参加していた。

会議はエギル宮の会議室で執り行われている。

エルウィン王国からは、兄のアルベールと摂政のマルケル、そして僕、リーンがこの会議に参加してい

会議は、ウルク帝国に対しての対応会議だ。

主に抗戦派と和平派に分かれて議論が行われていた…


 抗戦派は、ウルク帝国の海軍が壊滅的なダメージを負っている今が攻め時と主張し、

海戦でのウルク帝国への攻撃を行うべきだと主張した。

そして、和平派は、今も尚ウルク帝国の虎の子とも呼べる『黒竜騎士団』を警戒し、

戦闘は控え、交渉で和平を持ちかけるべきと主張していた…


 リーンは、その会議を黙って聞いていて、和平派の主張の方が理にかなっていると考えていた。

ウルク帝国は、自国の最大戦力を今だ温存している…

今、下手に攻めるのは、得策では無いように思える…

だが、このカストラートとエルウィン王国との連戦で、少なからずウルク帝国軍の戦力は疲弊している…

それでもウルク帝国は和平には応じないだろう…

今一歩交渉の場に引きずり出す決め手が必要なのだ。


 僕は、会議が紛糾し、結論が出なく、静寂が会議場に満ちた時を見計らって発言した。


「発言いたします…」


会議室の中の目が一斉に僕に集まる。

議長を勤める、サイアスが発言を促す…

「リーン殿下、何か名案がございますか?」


「ウルク帝国に後一歩譲歩を引き出させる為に、拠点攻略を進言します」


会場がざわめく。


「懸案となっているのはウルク帝国の『黒竜騎士団』の戦力です。

ですので、これを叩きます」


特使の一人が声を荒げる。


「『黒竜騎士団』に直接対抗できる戦力などあるのですか?!

失礼だが、幾ら貴公が強いと言っても貴公だけでは太刀打ちできるとは思えない!

『黒竜騎士団』の機械化部隊の恐ろしさを知らな過ぎるのでないのですか?!」


「…私も真っ向から攻めれば『黒竜騎士団』を倒すのは困難なのは承知しています…

ですので、陽動をかけた上に拠点に奇襲をかけます…

最悪でも、『黒竜騎士団』の中枢をなす『異世界人』を排除できれば…

ウルク帝国を交渉の場に引きずり出すことも可能かと思いますが?

如何でしょう?」


会場が静まりかえる…

その中で、ティターン皇国の宰相『セルクト・アイバーン』が発言した。


「リーン殿下にはその作戦に勝算が御ありなのですね?」


僕は、頷き、肯定する。


そして、アルベールが僕に作戦説明を促す。


「リーン…貴公の作戦を聞こう…」


「はっ!ご説明いたします………」


こうして、8カ国会議は、ウルク帝国への反抗作戦へと進むのだった。


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