部屋
2012年12月30日改修
僕が意識を取り戻して?2日目の朝。
どうやら僕は昨日あれからずっと寝ていたらしい…
お腹がかなり減っている。
昨日は、夕方ぽい感じだったが…それから、飲み食いしてないとは!
確か赤ん坊は、3時間置きぐらいに授乳しないといけないんじゃなかったっけ?
我ながらよく平気だったと思う。
それともこの世界では、これが普通なのかな?
そうこう考えにふけっていると、例の母親らしい女性と見知らぬ男女が入ってきた。
女性の方はメイド服のような格好だ。
僕の世界でのメイド服だから本当にメイドなのかはわからないが…
この格好はまさに猫耳メイド!
ちなみに髪と目は赤だ。
男性の方は中世風というか何かRPGに出てきそうな貴族風の服装だ。
こちらの髪と目は緑だ。
ちなみに男性にも猫耳!
これは間違いなくこの世界の人間の耳は猫耳のようだ!
「うわー、どんな進化をしたらこうなったのだろう?
やっぱり、ネコ科の動物が進化したとかなのかな?」
…なんてことを考えていると男性の方が近づいてきた。
あれ?もしかして、父親かな?
男性は何か、母親と思われる女性に対して礼をしてからこちらに近づいてくる?
夫婦にしてはかなりよそよそしい雰囲気だな?
そうすると、なんと、僕にも何か話かけ、礼をしている。
あれ、もしかして…えっとここの家の家臣?とか?
だったらこの家って結構な家柄だったりするのかな?
何か話をし終えると、母親と思しき女性と連れ立って退出していった?
なんだったんだろう?挨拶?かな。
すると今度は、メイドさんが近づいてきて僕を抱き上げた。
哺乳瓶らしきものが近づいてくる。
腹がへっていた僕は無我夢中で、かぶりついて呑みほした。
メイドの女性は少しビックリした様子だった。
僕としては味はミルクだけど…何かものたりない感じがした。
でもお腹はいっぱいになったようだ。
体が小さいから当たり前か。
歯も生えてないようだし…今はしょうがないとあきらめた。
僕の満足げな様子を見て、メイドの女性は、僕を元のベットに戻した。
僕は、お腹も膨れたのでやっと落ち着いくことができた。
よくよく周りを見渡してみるとかなり広めの部屋のようだ。
少し離れた場所には天蓋つきの大きなベットが見える。
どうやら母親の寝室?らしい。
状況的に見て、自分は母親の寝室の真ん中あたりの赤ん坊用のベットに寝かされるているらしい。
不思議なことに、昨日、ほとんど身動きできなかった体が少し動く、
もしかして立ち上がれるのかな?
幸い今は、メイドさんはシーツを抱えて出ていき、
母親と思しき女性は、先ほどの男性と一度退出したようなので、今、部屋の中には自分ひとりだ。
僕は思い切って、手すりに手をかけて、体を起こしてみた。
昨日よりかなり体が軽い。
つかまり立ちができた。
自分の体を見てみる。
服装はタオル地のジャンプスーツを着込んでいるようだ。
色は水色。
ふと背後に自分の体が当たった感触がした。
あれ?
そんなに体は大きくないから背後の格子に当たらないと思ったんだけど?
不審に思い振り返ると…
腰のあたりから何か白い縄のような・・?
「しっぽ!」が生えていた。
真っ白い毛でおおわれた、まるで猫のような「しっぽ」だ!
こ…これは…猫耳にしっぽか…まぁーこの耳だからありえるとは思っていたが…
この世界の人はやはりみんなこうなのかな?
今度誰か入ってきたら、確認しておかないと。
取りあえず、しっぽのことは置いておいて、周りを見渡してみる。
窓が二か所とドアが一か所、家具らしきのもは、天蓋付のベットと壁際に鏡付のドレッサーが見えた
。
それと今、自分の乗っている赤ん坊用のベットか…
なんだか家具が少ない気がするが、考えるにここの家はかなり大きく、
この部屋は、本当に寝室だけにしか使われてないのだろうと判断できた。
まず、自分の容姿を確認したい衝動にかられたので、
ドレッサーまでどうにか行けないものか考える。
今の体でこの高さ、1メートルぐらいのベットを降りられるかな?
取りあえず、ゆっくり、格子を乗り越えてみる、以外に体を支えられる。
ベットの角にしがみつき、その足にしがみつきながら、降りることが何とかできた。
床には絨毯が引いてあり、このまま這いつくばっていっても怪我はしなさそうだった。
さっそく、ドレッサーに向ってハイハイし、
ドレッサーの前に置いてあったイスによじ登って、恐る恐る、鏡を覗いてみる。
『おお!』
そこには真っ白な猫耳と真っ白い髪と肌、
目は大きく灰色の目の女の子?
に見える赤ん坊より少し育った感じの子供の姿が確認できた。
顔はどうやら母親似らしい。
まあ、男の子は母親に似るってゆうからな…
よくよく自分の手などをみると、昨日の赤ちゃんの手から少し、
しっかりした感じの手になってきているような気がする…
もしかしてこの世界の人間は、自分の世界の人間より、成長が早いのかもしれない…
自分の容姿が確認できたので、今度は外の様子が気になった。
体の向きを変え、イスを降り、今度は窓に向かって這っていく。
窓の下までこれたが窓枠まで1メートルぐらいの高さがある。
つかまるところもないので、上るにはこの体では無理がありそうだった。
あきらめて、部屋の中を再度見回す。
すると赤ん坊のベットからは見えにくい位置に肖像画が飾られていた。
誰の絵なのか気になったので絵の前までいって、眺めてみる。
絵はどうやら男性と女性の肖像画のようだ。
女性の方は、あの母親と思しき女性でウェディングドレスのような真っ白な衣装に
ティアラを載せていた。
男性の方は中世風の格好に大きなマント、そして頭には王冠が!
まさに「王様」の格好だった!
これってもしかして僕の父親?
顔などをよく見てみる。
顔はかっこいいというより、彫が深く、
男らしい感じで顎髭が生えている、髭と髪と目の色は、
母親より濃い青色とゆうより藍色に見えた。
背丈は、女性に比べてかなり高めか?
体つきは、かなりガッチリした感じに見えた。
見たところ、今の自分とは全然似ていない感じだ。
本当に父親かな?
でもこの人が父親ならもしかして自分は王子なのか?
王子っていったいどんな生活なんだろう?
なんだか、これからの生活が楽しみになってきた♪
他に確認できるものが無いか部屋を見渡すと、
ベットの脇に昨日、母親が座っていたイスがあり、その上に『本』が置いてあった。
『これは!』
この世界の手がかりになるかも!
イスまで近づき、イスの上で本を開いてみる。
一見アルファベットに見えたが…
でも自分が思い当たる単語とか文法とかは確認できない…
うーん?これは解読不能か…
取りあえず、パラパラとページをめくっていくと所々挿絵が入っていた。
絵の感じは、ファンタジーぽい。
まー髪の色が色々だったり、猫耳にしっぽだし…
まんまファンタジーなのだからしかたないか?
挿絵は騎士がドラゴンを退治していくストーリーのように見えた。
…?もしかしてこの世界にはドラゴンがいたりするのか?
どうやって戦うのだろう、やはり魔法とか剣?
そういえば、先ほどの男性や肖像画の王様の腰には剣が下がっていた。
魔法はあるのかな?
この挿絵では、魔法を使ってドラゴンに攻撃しているような絵があるけど…
呪文とか必要なのかな?
呪文なしでもいけたりして…
ちょっと気になったので自分の手をマジマジと眺めてみた。
するとよく見ると自分の周りだけ、色が白い?一瞬、白く見えた!
『あれ?』…っと思って目を凝らす。
(この時、誰か僕の目を見ていたら猫の目のように動向が縦に狭まったのが確認できただろう。)
すると確かに自分の周りにぼんやり白いオーラのようなものが見える。
手に集中するとそのオーラが広がったように見えた。
これって…なんだ?ほんとにオーラか、なにか?…なのかな?
今度は、部屋の中を目を凝らして見てみる、すると虹色の空気の流れのようなものが確認できた。
その中をまるでシャボン玉のようなものがゆらゆらと浮遊している!
さっきまでそんなものは視えなかったのに!
そのシャボン玉に手を伸ばし触れようとしたら、シャボン玉は消えてしまった。
弾けたのではなく、自分のオーラ?に触れた箇所だけ消えたのだ!
シャボン玉はその一部が欠けたあと、弾けて消えてしまった。
なんだ?シャボン玉なら触れたら弾けるのは解るが欠けたあと弾けた…
手に集中して、オーラ?が広がったのなら自分の体に集中したら
自分の体を中心にオーラが広がるのでは?
…と考え、今度は、薄めを開け自分の体にオーラ?(気)が集まるイメージをしてみる。
すると、体から半径1メートルを円にしたような白いオーラの領域が出来上がった。
その中には、なぜか、シャボンも虹色の流れも入ってこない。
これってなんだ?
魔法が使える前兆なのかな?
しばらくそのままでいると、なんだかすごく疲れてしまった…
集中が切れたと思ったら、景色は、普通の状態に戻っていた。
もう、虹色の流れもシャボンも視えない。
これは…自分の元の世界では見たことがないな…
話せるようになったら誰かに聞こうと心に決め、かなり疲れてしまったので、
ベビーベットに戻ることにした。
ベビーベットまで行ったがいいものの…どうやって登ろうか思案していると、
メイドの女性が替えのシーツを抱えて、ドアを開けて入ってきた。
メイドの女性は、ベビーベットの下でベットの柱につかまり立ちして
見上げている僕を見つけると何事か叫んで、駆け寄ってきた。
駆け寄ってきて、抱き上げると何かひとしきり話かけ、ベットの上に戻してくれた。
僕がメイドの女性見つめていると、メイドの女性は笑いかけ、
頭を撫でてベットに寝かしつけられた。
僕は、なんだか疲れてしまっていたので、そのまま、眠りに落ちていってしまった…。