プロローグ〜終わりと始まり〜
2017年11月25日改修
暗い…
ここはどこだろう……
確か僕は、朝、通学の為、電車に乗っていたはず…
今日は昨日の部活の入部テストで上級生にしごかれたせいで筋肉痛だ。
その為、朝起きるのがすごくだるかった。
入部希望者が多かったため、振いにかけられたということらしい。
結果、不合格…
まあ、初心者だったし、経験者優先ということか…
ちなみに受けた部活はサッカー部だった。
そんな訳で今朝は、筋肉痛の体をなんとか起こして出かけたけれど、
結局、家を出たのは、登校に間に合うかギリギリの時間になってしまった。
急いで電車に飛び乗り、一息ついていたら電車が急停車して…
その後の記憶が無い…
僕は、暗い中、目を凝らし続けた。
何とか暗闇にも少しなれて、周りが見え始めた…状況は、まだ電車の中。
僕は自分の意識がはっきりしているか再確認した。
「椿 真次」(ツバキ マサツグ)…
雑学好きの高校1年の16歳、高校に入ったら、雑学好きを生かして、
一回は『高校生クイズ』に出てみたいと思っている普通の高校生だ。
両親は平凡なサラリーマンだが夫婦仲は良くない…
二つ年上の兄との4人家族だ、兄とは仲は悪くないと思う。
次に自分の体を確認する。
右手、左手は動くが、足に感覚がない?
僕はゾッとした、座席に挟まれている!
よく見ると周りにはたくさん人がいて、呻き声が絶え間なく聞こえる!
事故?!
いったいどんな事故だ?!
何かにぶつかったのか?!
アナウンスは無い?
なぜ暗かったのかは、どうやらトンネルの中だったかららしい…
トンネルといっても市街地の道路の下を通るような短いものだったはずだ…
不意に腰のあたりに激痛が走る、手を当ててみるとべっとりと血がついていた!
ヤバい!怪我?!
体に力を入れて身動きしようとしたが、いうことをきかない?!
全身に寒気が走り、意識が薄れてきた、僕は死ぬのか?!
せっかく、公立の自分の実力からは少し高めの高校になんとか勉強を頑張って
入学したというのに…
中学生時代は人見知りが激しい性格もあって、
親しい友人がぜんぜんいなかったし、そんなだから、
いじめのターゲットにもなったから、
まったく新しい環境で友達を作れたらと思って地元ではなく、
ちょっと離れた、高校を受けたのに…
何も変える事ができないまま、もう死ぬのか…
ううぅ…せめて『高校生クイズ』には出たかった…
そんな事を思ったが、もう考えられないぐらい意識が薄れて…僕は目を閉じた。
初めまして、作者の八咫烏です。
「リーンカーネーション・サーガ」は始めた書いた作品になります。
これから本編になりますので、ご意見・ご感想を頂ければ幸いです。