ある朝の会話、美琴と彰。
会話ばっかりなんで、小説っぽくなくなってしまいました。2人の会話の中にあるほんのちょっとの分かりにくい恋心を感じとってもらえると嬉しいです。
「おい、美琴」
「彰?何よ」
「宿題見せろ」
「はあ?何であんたに。いやよ」
「見せろって。担任に怒られるだろが」
「知らないわ、そんな事」
「おねがいみことちゅわ〜ん、かわいそうなあきらくんのためだとおもってぇ」
「キモいわよ」
「………」
「そんなに見せてもらいたかったら、有希ちゃんに言ったら?」
「あ?渡辺?何でだよ」
「だって有希ちゃん、あんたの事す…」
「きゃああああっ!美琴ちゃんっ!」
「ふぐぅっ!?」
「だめだめだめっ!言っちゃやだあっ!」
「はんへほふひひゃん、ほひふひははひゃははんはひっへ(なんでよ有希ちゃん、こいつ言わなきゃ分かんないって)」
「だめったらだめーッ!!」
「…何やってんだお前ら」
「あっ、彰君!えと、そのっ、………ごめんなさいぃッ!!」
「あ、ばいばい有希ちゃーん」
「…何なんだ?」
「青春ね。笑顔が眩しいわ」
「何ジジくさい事言ってんだよ。つか、宿題」
「うるさいわね、私の邪魔すんな」
「…言葉使い荒くね?つか、宿題」
「ああ。私にも有希ちゃんみたいな輝きがあったらなあー」
「あ、それムリだろ。お前と渡辺じゃ、腹黒さに格段の違いがある。つか、宿題」
「鈍い男はどーすればいいのかな、やっぱあれか、実力行使でGO!みたいな?」
「何だよ実力行使って。つか、宿題」
「体育館裏に呼び出して、いきなりちゅーとか。あっ、でもあの子にはまだ無茶か。…私がやろうかな」
「いや、うちの学校、体育館裏なんて使えんだろ。雑草だらけで。つか、宿題」
「あの子にも出来るように…。告白か?告っちゃうか?」
「…あれ、お前、誰かに告っちゃうの?」
「私じゃないわ。青春少女よ」
「誰だよそれ。つか、宿題」
「やっぱあれか。私がやっちゃうか」
「あのー、美琴ちゃん。訳分かんないんだけど、とりあえず宿題見せて?予令鳴っちゃったし」
「彰君」
「…君ッ!?」
「私ね、彰君のこと、ずっと好きだったのッ」
「………ぇええっ!?」
「ん、こんなもんか。有希ちゃんに練習させなきゃ。…どしたの彰。顔、紅いよ?」
「なっ!!ななななんでもねぇよッ!!」
「…変なの。あ、先生来たわよ」
「ええっ!?宿題…」