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聖女ドラゴンヴァルキリー  作者: BALU-R
第Ⅴ部   最後のドラゴンヴァルキリー
41/41

エピローグと…
































「ドーラゴン!ナンだ?」

乾いた大地だけを映し出していた水晶に異変が起こった。

まるでビデオの巻き戻しのように世界が再生されていったのだ。

「ドーラゴン!どうなっている!?ありえない!!」

やがて、ドラゴンが魔法で滅ぼしたのが嘘のように世界は元に戻った。

「ドーラゴン!そんなばかな!ナゼだ!まさか、キサマラが!?」

ドラゴンは二人が倒れている方向を見た。

志穂もその再生された世界の映像に唖然としていた。

友知は…いなかった。

確かにそこにいたのに。

その時、フルートの音色が鳴り響いた。

玉座の間の外から友知がフルートを吹きながら現れた。

しかし、その姿はネクストドレスではなかった。

黒いロングスカートであった。

ドラゴンは言った。

「ドーラゴン!いつのマに?それにそのスガタは!?」

友知は志穂の近くまでくると言った。

「これが限界みたいですわ…志穂、後始末をお願い…」

そして倒れこんだ。

志穂は一瞬哀しい顔で友知を見てから言った。

「分かった…」

胸の十字架を握りしめて叫んだ。

「ドラゴンヴァルキリー!ドレスアップ!!」

十字架を右手で引き千切ると十字架を中心に体が光っていき、

剣の柄の中心は黒い宝石になり、

服は黒いロングスカートになり、

胸は膨らみ、

そんな姿に

なった。

「聖女!ドラゴンヴァルキリー!!ラストドレス!!!」

そして、そう叫んだ。

ドラゴンは言った。

「ドーラゴン!ラストドレスだと!?」

志穂は頷いて言った。

「そう、あなたが始まりの魔女なら、私は終わりの魔女…友知が教えてくれた。この最後の姿を!!」

「ドーラゴン!」

ドラゴンが叫んだ。

志穂に再び重力の魔法をかけたのだろう。

しかし、志穂は微動だにせずに言った。

「無駄よ。」

「ドーラゴン!ならばこれは!!」

今度は志穂の体を先ほど世界を滅ぼした光が覆った。

しかし、光は志穂の体に吸い込まれるように消えていった。

「ドーラゴン!ナンだと!?」

志穂は無表情で言った。

「無駄よ…今の私とあなたには魔力に差がありすぎる。だから通用しない!!」

ドラゴンの体が消え始めた。

「ドーラゴン!?」

志穂は淡々と話し続ける。

「これがラストドレスの力…さっきは友知が世界の時間を巻き戻したの。そして今度はあなたの存在を、いや全ての悲劇を歴史から消滅させようとしている…時間を操る、それがラストドレスの力。」

「ドーラゴン!こんなばかな!」

「終わりよ、ドラゴン…もう、あなたは始まる事もできない。」

「ドーラゴン!ワレのソンザイをヒテイするというコトはスベての魔女のヒテイだぞ!これではキサマも…」

言い終わる前にドラゴンは消えた。

志穂は呟いた。

「ええ、分かってるわ…その前に時間を操るなんて無茶をしたんだもの。無事でいられるわけがない。」

そして志穂と友知の体も消え始めた。

志穂は友知に膝枕をして語りかけた。

「ごめんね…最後まで巻き込んじゃって…」

友知は意識を失っていた。

しかし、志穂の心に声が響いた。

(だーかーらー。)

それはいつもの口調であった。

(志穂は本当にずれてるんだから!こういう時に言う言葉が違うでしょ?)

志穂は少し笑って言った。

「ありがとう。私を一人にしないでくれて。」

(アタシも一人でなくってよかった。ありがとう。)

意識のないはずの友知がほほ笑んだ。

そして、志穂も友知もドラゴンも城も…魔法も全て消えた。

歴史からも何もかも。


最終話、改題

          聖女の死、終わる魔法


エピローグ


「おあよーっス!」

鳥羽兎の扉を香矢が開け挨拶した。

「はい、おはよう!」

「おはよう!」

コーチとルリが同時に返す。

ルリが言った。

「なぁに、ニタニタして気持ち悪い…」

香矢はニヤニヤしながらカバンからノートを取り出して言った。

「いや、新しい小説書いてきたっスよ…今度は自信作!!」

コーチがコーヒーを淹れながら言った。

「ねっ、今度はどんな話?」

香矢はノートを開いて言った。

「いやあ、15世紀ぐらいに魔女狩りってあったっしょ…これはその時に迫害された人々が復讐する物語れす。」

ルリがプッと笑って言った。

「馬鹿ね、魔女狩りって空想の話よ!こないだ授業でやったじゃない!」

香矢がノートをマジマジ見ながら言った。

「あり?むがー、誰か歴史を変えたんだなー!これはあちきの小説を陥れる陰謀だー!」

ルリはノートをひったくって言った。

「あんなひどい事が本当に起きるわけないじゃない。」

香矢は頭を掻いて言った。

「はぁ、世の中平和なんスね…」

コーチは二人にコーヒーを出して言った。

「きっと、正義の味方みたいのが平和な世の中にしてくれてるんだよ。ねっ、どうせなら正義の味方の話とか書いてみたら。」

香矢が爆笑しているルリからノートをひったくりペンを片手に言った。

「ほうほ、例えば?」

コーチは言った。

「みんなのピンチに帰ってくる…その名は聖女ドラゴンヴァルキリー!」

(そうだよね?田合剣、夜葉寺院!)


聖女ドラゴンヴァルキリー 完


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