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聖女ドラゴンヴァルキリー  作者: BALU-R
第Ⅳ部   復活・ドラゴンヴァルキリーⅠ編
32/41

第三十二話 次なる聖女

ある日の女帝のオフィスにて。

そこには女帝の姿はなかった。

代わりにフード付きのコートを着た怪しい集団がいた。

その一人のフードが落ちて中からかぼちゃ魔女の顔が出てきた。

慌ててフードを被りなおす。

他のフードの人物が声をかけた。

「パンプキン!キをツけろよ!どこでダレがミているのかワからんのだから…」

フードを被りなおしたかぼちゃ魔女は言った。

「パンプキン!す、すまん…」

フードの集団…かぼちゃ魔女達は井戸端会議のように口々に喋り出す。

「パンプキン!しかし、女帝サマはどこに行ってしまわれたのだ?サイキン、スガタをミないが…」

「パンプキン!おマエ、シらないのか?ウィッチをシヨウにツカおうとタクラんでいたのがばれ、ショケイされるのがキまったコトを。」

「パンプキン!ホントウか!?」

「パンプキン!ドラゴンサマのためにツクられたウィッチをジブンのシヨクのためにツカおうとはオロかな…」

「パンプキン!ドラゴンサマのゲキリンにフれてトウゼンだな。」

「パンプキン!どこでいつ、オコナわれるんだ?」

「パンプキン!クワしくはこのカミにカいてある。おマエ、イくのか?」

「パンプキン!トウゼンだ!女帝サマのソウシキみたいなもんじゃないか!!」

紙を受け取った一人が女帝のオフィスを後にした。

外に出てフードをとる。

その中から出てきたのはかぼちゃ魔女ではなくエミであった。

「パンプ…はもういいんだっけ。女帝が処刑…?まさか…!?」

貰った紙を見ながら呟いた。


「…どう思いますか、志穂殿?」

エミからの報告を受けたミカが志穂に聞いた。

志穂は少し考えてから言った。

「ありうる話だと思います。女帝はおかあ…他の幹部とは目的が違うように思えました。女医や女教授は単純に人間の粛清を目的としていました。でも、女帝はどうもお金の方に執着した作戦が多かったです…それは他の魔女、トップのドラゴンという魔女から見たら裏切りととられるのかも。」

香矢は言った。

「でも、これで強敵が戦わずに減ってくれるって事スよね?」

志穂はまた少し考えてから言った。

「…エミさん、処刑される場所と時間、分かりますか?」

エミが驚いて言う。

「紙を見れば分かりますけど…志穂さん、どうするつもりですか?まさか、助けるつもりですか!?」

志穂は言った。

「女帝は敵だけど…もしかしたら助ければ改心してくれるかもしれません。」

ミカは呆れて言った。

「志穂殿は優しいですな…しかし、その考えは甘いのでは?」

志穂が喋る前に香矢が口を挟んだ。

「それが志穂さんの良いところスよね!まぁ、見殺しにするのも後味が悪いスよ!」

コーチが言った。

「おいおい、さっきと言ってる事が違うねっ…」


「ヒーヒン!それではショケイをハジめるぞ!!」

馬の姿をした魔女がはりつけにされた女帝に向かって言った。

女帝はボロボロの姿をしていた。

必死に叫んだ。

「た、助けてくれ!私はまだ死にたくない…死にたくないんだ!!ドラゴン様、お慈悲を!!お慈悲をー!!」

馬魔女は叫んだ。

「ヒヒーン!ミグルしいぞ!せめてサイゴはイサギヨくドラゴンサマのバツをウけよ!!」

「待ちなさい!」

その時、叫び声が響いた。

志穂であった。

志穂は続けて言った。

「その人の命、私が預かります!!」

そして胸の十字架を握りしめて叫んだ。

「ドラゴンヴァルキリー!ドレスアップ!!」

赤と青の戦う姿に変身し、再び叫んだ。

「聖女!ドラゴンヴァルキリー!!ダブルドレス!!」

馬魔女は困惑しながら叫んだ。

「ヒヒーン!まさか聖女がジャマしにアラワれるとは…モノどもかかれ!!」

近くに待機していたかぼちゃ魔女の集団が志穂に飛びかかる。

「パンプキン!」

しかし、志穂の敵ではなかった。

自爆は水のバリアで防がれ、全て志穂の剣と炎で倒された。

「ヒヒーン!オボえておれ、聖女よ!」

そう言って馬魔女は逃げて行った。

志穂は女帝をはりつけから下ろし言った。

「大丈夫ですか?」

女帝は信じられないという顔で志穂に言った。

「何故、私を助ける…?私はお前の敵だぞ?」

志穂は首を振って言った。

「私は弱い人の味方です。貴女はもうウィッチに追われる私が守るべき人…」

女帝はその言葉に涙を流した。


鳥羽兎に女帝を連れて志穂は帰ってきた。

席の一つに座らせたところ、香矢が近づいてきて言った。

「やいやいやい、今までよくもやってくれたスね!」

女帝は力なく答えた。

「すまなかった…」

香矢は目を丸くして言った。

「おろ、意外な反応…」

ミカも近づいてきて言った。

「ウィッチの事で知っている事を全て話してもらおうか?」

女帝は溜息をついて言った。

「分かったよ…しかし、少し休ませてはもらえないか?」

エミも近づいてきて叫ぶ。

「何を甘えた事を!」

「みんな、止めてください!」

志穂が叫ぶ。

「…この人はさっきまで捕まっていたのですよ?それにさっきの涙…時間ならあるのですから私達が知りたい事はきっと教えてもらえますよ。だから少し…」

志穂がそこまで言った時に外から叫び声が響いた。

「ヒヒーン!」

全員がビクっとする。

女帝はガタガタと震える。

「ちょっと見てきます…その人をよろしくお願いします!」

そう言って志穂は飛び出して行った。

志穂がいなくなった瞬間、それまで女帝に詰め寄っていた3人はコーチの後ろに隠れた。

コーチは呆れて言う。

「おいおい、お前ら…」

エミはコーチの後ろから女帝を見ながら言った。

「だってねぇ…」

香矢も合わせて言う。

「こいつもやっぱり魔女なんしょ?」

「くくく…」

突然、女帝が笑いだす。

「女医の正体はイカ魔女、女教授の正体はバラ魔女であった…では、この女帝の正体は?」

そう言うと懐からハマキを出し火をつけた。

すると、姿が鹿の姿に変わっていった。

鹿魔女は言った。

「シーカ!ウマくいったな!聖女をおびきダすサクセン…馬魔女とはさみうちにするマエにまずはキサマらをチマツりにしてやる!!」

ミカは溜息をついて言った。

「だから甘いと…」

じりじりと近づいてくる鹿魔女。

その時、フルートの音色が鳴り響いた。

鹿魔女は足を止めて言った。

「シーカ!ナンだこのネイロは…」

香矢が嬉しそうに言った。

「フルートの音色…帰ってきたんスね!」

トイレのドアがバタンと開いて中から出てきたのは…

友知であった。

友知は叫んだ。

「お待たせしました!みんなのピンチに颯爽と参上!」

コーチは言った。

「そんなとこから出てきて何を言ってるね…」

エミも言った。

「それよりもずっとトイレに潜んでいたんでしょうか?」

友知が顔を膨らませて言う。

「ぶー!久しぶりの再登場なんだからもっと歓迎してよ!」

鹿魔女は言った。

「シーカ!もうヒトリの聖女か!しかし、イマのおマエにナニがデキる!?ヘンシンもできないおマエに!!」

友知は胸を張って言った。

「甘い甘いスイーツかっこ笑い!アタシにはこういう時のために奥の手があるのよ!!すなわち…コマンド、逃げる!」

その言葉と同時にエミが煙幕を鹿魔女に向けて投げつけていた。

鹿魔女が煙幕を払う頃には全員、鳥羽兎の外に出ていた。

「シーカ…まぁ、いい。ソトで聖女とイッショにシマツするだけだ。」

外では赤と黄の姿に変身した志穂が馬魔女と戦っていた。

その時、鳥羽兎からコーチ達が飛び出してくる。

志穂が叫ぶ。

「みんな!それに友知まで!!何があったの!?」

「シーカ!こういうコトだよ!」

遅れて鹿魔女が鳥羽兎から出てきた。

「シーカ!馬魔女よ、あれをやるぞ!!」

「ヒヒーン!はっ、女帝サマ!」

馬魔女が志穂の体を蹴りあげた。

志穂は鹿魔女の方に吹き飛ばされて行き、鹿魔女の角に突き刺さる。

「がっ、ぐわぁ…!」

志穂は刺さった体を無理やり引き剥がす。

剥がれた瞬間に今度は鹿魔女が蹴りあげる。

そして勝ち誇ったように言った。

「シーカ!みたか!これぞ合体魔法、ウマシカ!」

香矢がキョトンとする。

「どこが魔法スか…」

友知が言った。

「だから馬鹿ってことなんじゃないの?」

エミが叫んだ。

「言ってる場合ですか!そうだ、友知さん!貴女も変身して一緒に戦えば…」

コーチが慌てて言った。

「それは駄目だ!今、夜葉寺院の十字架は田合剣が持っている。十字架なしで変身したらこいつの命が…」

香矢も続けて言う。

「かと言って十字架を返してもらえば、二人ともダブルドレスにはなれないスからねぇ…」

ミカが叫んだ。

「何と不便な…それでは志穂殿一人であの強敵二人を相手にしなければならないと申すか!」

「手ならあるよ。」

友知の言葉に全員が注目した。

友知は続けて言った。

「でも、そのためにはこの場を何とか逃げ延びないと…」

その時、志穂がみんなのところに飛んできた。

「…逃げるくらいなら今の私でも。」

そう言うと全員を持ち上げて空高く志穂は飛んで行った。

「ヒヒーン!マて!」

馬魔女の言葉にいつのまにか元の姿に戻った女帝が言った。

「まぁ、待て…潰す楽しみが先に伸びただけだ。今の戦いで我らに負ける要素がない事がよーく分かったからな。」


志穂達は廃病院にきていた。

かつて、志穂と友知が改造された場所に。

「…何を二人で話しているんスかね?」

香矢が誰ともなく言った。

コーチも首をかしげて言う。

「さぁあな…しかし、二人にさせてくれとのことだったからね…」

二人っきりになった志穂は友知の提案に叫んだ。

「!そんなの駄目よ!!」

友知は首を横に振って言った。

「でも、敵はどんどん強くなっているわ。それは今、戦っている志穂が一番分かってるでしょう?」

「…」

「アタシはやるわ。守りたいものがあるから。」

志穂はそんな友知に言った。

「分かったわ。でも、先にやるのは私。」

友知は溜息をついて言った。

「はぁ…まだあんた、アタシの事を巻き込んだとか思ってるの…」

志穂は首を横に振ってから言った。

「違うわ。Ⅰから順番に…って事よ。私にも守りたいものがあるしね。それじゃあ、時間稼ぎは任せたわよ?」

そして銀の十字架のネックレスを友知に渡すのであった。

「ヒヒーン!ここにマチガいないか!」

「パンプキン!チジョウからヒッシにオいかけたのでマチガいありません!」

馬魔女とかぼちゃ魔女が騒いでいる。

彼らは志穂達が逃げ延びた病院までたどり着いたのであった。

女帝は言った。

「もう少しだ…女医も女教授も成し遂げれなかった聖女の粛清を今こそ私が…!そうすればドラゴン様も私を…」

馬魔女は言った。

「ヒヒーン!しかし、女帝サマミズカらおデになられなくてもよろしかったのでは?」

女帝は溜息をついて言った。

「聖女のせいで私のドラゴン様の評価は下がる一方なのだよ…このままでは本当に処刑されてしまいかねない。そのためには確実に聖女を粛清せねばならないのだよ。」

その時、フルートの音色が鳴り響いた。

友知が病院の中から出てきて言った。

「中間管理職は辛いね~。上司の顔色ばかり伺って。」

女帝は言った。

「今度はお前が相手か!?しかし、胸の十字架は一つのようだが…」

友知は胸の十字架を握って言った。

「魔女退治に十字架は一つで十分!」

そして叫んだ。

「ドレスアップ!ドラゴンヴァルキリャー!!」

胸の十字架を引き千切り、紫色の姿に変身して叫んだ。

「聖女!ドラゴンヴァルキリー!パープルドレス!!!」

女帝は笑いながら言った。

「哀れよのう…そんな旧い姿になって…」

そしてハマキを取り出し火をつけると鹿魔女の姿になった。

(志穂、急いで!)

友知は剣を構えながら強く思った。


「志穂殿は何をしているのだ!?」

ミカが病院の中から外の様子を見ながら言った。

エミは言った。

「分からない…てっきり二人で出てくるもんだと…」

コーチはそんな心配そうにしている二人に言った。

「大丈夫ねっ…きっと、大丈夫ねっ!」


「ぐわぁ!」

友知は合体魔法ウマシカをまともに喰らった。

かぼちゃ魔女の群れは何とか倒したものの、馬魔女と鹿魔女の連携に手も足も出なかった。

友知は呟く。

「志穂…まだなの!?」

鹿魔女が笑う。

「シーカ!ナニをマっているのかしらんが、そのマエにキサマにインドウをワタしてくれるわ!」

その時、病院から人影が駆け寄ってきた。

志穂であった。

鹿魔女は言った。

「シーカ!アラワれたか。さぁ、フタリそろってチマツリりにあげてやる!!」

志穂は不敵に笑い言った。

「いいえ。ここから戦うのは私一人。一人で十分!!」

志穂は胸の十字架を握って叫んだ。

「ドラゴンヴァルキリー!ドレスアップ!!」

胸の十字架を引き千切り、

十字架は柄が白い宝石が入った剣になり

服は白のミディスカートになり

胸は貧乳になり

そんな姿に

なった。

「聖女!ドラゴンヴァルキリー!!ネクストドレス!!!」

鹿魔女は驚いて叫んだ。

「シーカ!まさかキサマ…」

志穂は言った。

「そう…再改造したの自らの手でね。」

馬魔女は叫んだ。

「ヒヒーン!こけおどしだ!女帝サマ、合体魔法です!」

馬魔女が志穂の体を蹴りあげようとしたが志穂の体はビクともしなかった。

「ヒヒーン!?」

「このネクストドレスは今までの姿と次元が違う。そして、」

志穂は剣を構えて言った。

「この姿は今までの5つのドレスの力全てを使う事が出来る上に、6つ目の…風を操る力も備わっているの!」

志穂の剣から竜巻が放出され、馬魔女と鹿魔女の体を打ち上げる。

さらに炎、水、雷、草、毒、5つの色が竜巻の中に入っていく。

「ヒヒーン!」

「シーカ!」

二人の魔女の体がボロボロになっていく。

「とどめよ!」

志穂がそう叫ぶと竜巻は止み、地上に二人は落ちてくる。

「はぁぁぁぁ!」

気合を込めて志穂は二人の魔女を横一文字に切り裂いた。

「…見事だ。グフッ」

体が二つになった女帝が人間の姿になって言った。

「しかし、哀れだのう…我らに勝つために貴様はまた人間から離れていったのだぞ!」

志穂は無表情であった。

女帝は続けて言う。

「人でもなく、魔女も拒みお前はどこに行くというのだ?お前が進む道は…地獄…」

そして女帝は息絶えた。

志穂は女帝の目を閉じながら言った。

「分かっている…それでも進むしかない。」

「二人でね…でしょ?」

友知が笑いかけて言った。

そんな友知に志穂は笑顔を向けた。

それは哀しげな笑顔であった。

第Ⅳ部完



ウィッチとの戦いもいよいよ、大詰め。

しかし、友知の様子が…!?


次回

第Ⅴ部    最後のドラゴンヴァルキリー


第三十三話 「必殺!七竜剣」

見届けよ、ドラゴンヴァルキリーの結末を。

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